『呪われた神剣編 第1話』

この世には数多の似て非なる世界が存在する。
こことは違うもう一つの世界。自分でありながら少し違うもう一人の可能性の自分。
これはそんな世界で精一杯青春を迷宮でおくる少年少女の物語である。

 暗い空間の中、剣戟の音が鳴り響く。
 長い髪をポニーテールに結い上げた背の高い少女が何の苦もなく幅広の両手剣で氷の巨人を分断する。
 髪を後でまとめた忍び装束の少女が片刃の手裏剣で氷の巨人の首を打つ。
 背丈の小さな少女がこの世に縛られた哀れなる死者を神の御力を用いて安息を与える。
 美少女と見まがう顔の少年が杖を振りかざし呪文を唱える。
「『猛る炎界の烈火よ。我が呼びかけに応じ姿を現せ。火蜥蜴召還(サモン・サラマンダー)』」
 突如暗闇の中から赫赫たる閃光をともなった炎が顕れた。それはゴツゴツとした岩肌を照らしてから、召還者の敵を睨み据える。
──グシャァァァアアア
 炎が爆ぜるような叫び声を上げたあと、『火蜥蜴』は氷の巨人を包み込み焼き尽くす。
 そして、役目は終わったとばかりに姿を消した。
「どうやら終わったみたいだな」
 いづみは一つ大きな息を付く。
「終わった〜、終わった〜。ねえ、しんいちろー。早く地上に帰ろうよ」
「あ〜、何いってんだぁ〜? この道楽娘がぁっ!」
 真一郎は後から容赦なく唯子の尻尾を引っ張る。
「う〜、痛い痛い」
「真くん、唯子が壊れちゃうよー」
「相川。そのくらいで勘弁してやれ。唯子が抜けると地上に帰れなくなる」
「ちぃっ! 命冥加なやつめっ!」
 小鳥といづみの説得を受け入れ真一郎は三下のような捨てぜりふとともに尻尾を引っ張るのを止める。
「ひ〜ん。真一郎がいじめる〜」
 小鳥といづみに泣きつく唯子を白い眼で睨み付けながら、
「……それじゃ聞きますけどね、唯子さん。俺たちは何でここにいるんでしょうねぇ?」
と、語尾を思いっきり上げて意地悪く質問する。
「うう」
「俺の記憶が確かならば、昨日お前が『さざなみ寮』で暴れたのが原因だった気がするんだけどなぁ〜?」
「ううう」
「仁村さんに勧められたとはいえ、飲めもしない酒を飲んだ上に暴れるやつがどの世界にいるかなぁ?」
「ううう。……小鳥ぃ〜、いづみちゃぁ〜ん、真一郎がいじめる〜」
 再び唯子は二人に泣きつく。
 しかし、今度は二人ともあらぬ方向を見て助け船を出そうともしなかった。
「……ふふふ。ことこの件に関しては君は我々の敵なのだよ、唯子君。分かったらキリキリ働けぇいっ!!」
「……唯子、ごめんね」
「相川の言うことも一理あるぞ、唯子」
「ううう、小鳥もいづみちゃんもいじめる……」
 手にした両手剣で器用に床に「の」の字を書く。
「で、どうするんだ相川?このままこの階層でめぼしいものを捜すのか?それとも……」
「最下層に行って手っ取り早く売れそうなものを化け物どもから分捕る。短期間で稼ぐにはそれしかない」
「真くんは大丈夫なの?」
「おかげさまでね。大技を使ってないからあとうまくやれば二、三回は戦える。そういう小鳥の方こそどうなのさ」
「多分『全快(フル・ヒーリング)』なら四回ぐらい使えるかな。あとは防御系の奇跡を少し……だと思う」
「私はまだいけるな。手裏剣の方もまだまだ余裕だしな」
「ま、唯子はどうでもいいから……。それじゃ、行きますか」
 脇で未だにいじけている唯子に、「下に行くぞ」と、声をかけ、真一郎は部屋の片隅にある魔法装置へと向かう。この装置こそ迷宮の最下層にはいることができる唯一の入口である。真一郎は、手慣れた手つきで装置を起動させ、全員が装置の中に入ったのを確認してから最後のボタンを押す。
 一瞬地面の感覚が無くなりどこが下だか分からなくなる。次に気がついたときには奇妙な圧迫感に溢れる空間にいた。
「はーい、真一郎くん。今日も遊びに来てくれたわけ?」
 目の前に半分からだが透けている女の子が真一郎に声をかけてきた。
「違うよ、七瀬。……借金返済のために稼ぎに来たんだ……」
「……それはまた世知辛いお話ねぇ。どうかしたの?」
「唯子のやつがお世話になってる酒場で破壊の限りをつくしてね」
「うう、唯子は悪くないよー。お酒が悪いんだよ」
「へー。唯子ちゃんって酒癖悪いんだ」
「ううう」
 再びどん底に突き落とされた唯子は愛用の剣で床にのの字を書き始めた。
「それで春原さん。今日は私たちの他のパーティーがここに来ましたか?」
 唯子をこれ以上ドツボに落とさせないため、いづみはさりげなく話題を変えてみる。
「今のところはあなた達が初めてね」
「良かったね、真くん。稼げそうだよ」
「そうだな。で、何か面白い情報はある?」
「んー、今日はないわ……。あ、あるある。どうもこの頃一匹だけど上位悪魔(グレーター・デーモン)級がこの階層にうろついてるらしいわよ」
「マジ?」
 真一郎の顔色が変わる。「千堂さんたちはそいつとまだ出会ってないわけ?」
「この頃彼女たちここに来てないから。あたしが知る限り数パーティー全滅してるわよ」
「どうする、相川? 上位悪魔は危険じゃないのか?」
「……。行こう。これ以上唯子に肩身の狭い思いをして欲しくないしな。それにそうそう会うわけもないでしょ」
「そうだね。いざとなったら『強制転移(ランダム・テレポート)』って手があるしね」
「上位悪魔一匹くらいわったしの剣の錆にするね」
 唐突に立ち直った唯子が自分の剣を一振りする。
「洒落抜きでそうしてもらわないと困る」
 真一郎は深刻な面もちで唯子を見る。「上位悪魔級には奴らの魔導結界のせいで魔術は通じない。御剣の攻撃は軽いから跳ね返されてダメージにならない可能性の方が大きい。小鳥は対魔族用究極の切り札『強制送還(バニッシュゲート)』が苦手ときている。お前の“バカ力”だけが頼りなんだ」
 “バカ力”というところに微妙なアクセントをつけて真一郎はにこやかに唯子の肩を叩く。
「相川の言うとおり、私の攻撃が通じるかは怪しいからな。……唯子、頑張ってくれ」
「うー、プレッシャーかけないで欲しいよぉ〜」
「でも会わない確率の方が高そうだし、大丈夫だよ、唯子」
「そうだと良いけどな……」
 真一郎は厭な予感を拭えずにいた。「七瀬。そいつは入口近くにいるのか?」
「うーん、私の知っている限りは奥の方らしいわよ。帰りを襲われていちころだったらしいし」「……帰り、か」
 真一郎は少し考え込み、「よし、そこら辺の玄室で一回戦ったら余力を残したまま帰るとしよう」
「妥当だと思う」
「楽ちんそうだから唯子も、それが良いな♪」
「真くんがそう決めたならそれで良いよ」
 三人の仲間の後押しを受け、
「よし、いこう」
 と、真一郎は宣言した。

 最初の玄室にいたのは火龍(ファイアードラゴン)の残骸だった。
「あにゃ〜。な〜んか気がぬけたねぇ、しんいちろー」
「……相川。相当の手練れだぞ、こいつを倒したのは」
 火龍の死骸を観察していたいづみが真一郎を呼ぶ。「見て見ろ。この切り口。並の腕じゃこうはいかない。千堂さんでもできるかどうか……」
 真一郎はいづみの隣に片膝をつき、致命傷だったであろう両断面を見る。そのままプレパラートにのせて顕微鏡で観察できるくらい見事な断面であった。
「ここまですることないのにね……」
 小鳥は呟く。
 生来の性格からか、小鳥は無益な殺生を好まない。怪物との戦いもギリギリまで回避しようとする。従って、小鳥にとって今見ている火龍の斬殺死体は酷なものであった。
 真一郎は黙って他の断片を見渡す。間違いなく致命傷はあの一撃だったであろう。問題は殺した後でずたずたになるまでミンチにしたことだ。並の精神の持ち主じゃない。
「……殺人狂か……それとも、噂の……」
「しーんいちろー。あそこに誰かいるよ?」
 物思いに耽っていた真一郎の意識を唯子が強引に現実に引き戻した。
「……相川、まずいぞ」
「真くん、あれ……」
 二人にいわれるまでもなく真一郎は気づいていた。その人影から感じる波動は間違えなく『魔界』のもの。
「……こうも早くご対面するとは思わなかったな……」
 額の汗を拭い真一郎は呟く。
 人影は一歩一歩真一郎たちに近づいてきた。
 唯子といづみは無言で前に出る。その後に隠れる形で真一郎と小鳥が位置取りする。
「……魔将(アークデーモン)か……」
 魔将、上位悪魔と異なり人型をとることを好み、その強さは上位悪魔を軽く超す。はっきり言って真一郎たちで勝てる相手ではなかった。
 どう考えても尻尾を巻いて逃げ出すしかなかった。
 だが……。
「逃げるには機を逸しているし、……やるしかないな」
 真一郎は呟くと、「『森羅万象を司りしこの世の理よ。異界の力を防ぐ防壁となれ。耐魔障壁(アンチマジック)』」
 それと同時に真一郎たちの周りに蒼い業火があがる。
「ふー、危機一髪ってとこだったね」
「油断するな、唯子。この爆炎に紛れてやつは詰めて来るぞ」
 いづみが檄を飛ばす。
 唯子は両手剣を青眼に構える。
 爆炎の中から何かが飛び出してきた。唯子は即座にそれを剣で受け止める。
 がきぃぃいん
 甲高い金の鳴る音があたりに響く。唯子は敵の剣をしっかりと受け止め、押し返そうとする。「……!駄目だ、唯子!一度そいつから離れろっ!!」
 真一郎の声を聞き唯子は反射的に後に跳ぶ。
 それまで唯子のいた空間を巨大な拳が過ぎ去る。
 その上、
「あ〜、唯子の剣が〜」
 唯子の剣は打ち合ったところにヒビが入っていた。
 これでも一応魔術で強化された特殊な剣である。それを上回る破壊力を持っていると言うことは、
「くっ!やっぱりあの剣はただの剣じゃない!」
 真一郎は先程から敵の剣からただならぬ強い魔力を感じていた。「かなり強力な魔剣だ、気をつけろ唯子、御剣」
「言われるまでもない」
 いづみは相手の間合いの外から手裏剣を乱れ打つ。
 魔将は軽々と人間にとっては両手剣サイズの剛剣を片手で一振り二振りとタクトのように素早く動かす。いづみの打った手裏剣は軽々と全て返された。
「『この世ならざるものよ、退け。強制送還(バニッシュゲート)』」
 小鳥は先程からずっとタイミングを見計らっていた呪文をいづみの手裏剣に気を取られている瞬間にはなった。いくら苦手なものだといっても詠唱を失敗するような真似はしない。
 しかし、魔将に届く前に奇跡の波動はうち消される。
 上位悪魔以上の魔族は常に奇跡や呪文をうち消すかなり高度な結界を身にまとっている。その結界より威力のない術は全てかき消されるのだ。
「嘘、効かないなんて……」
「ああも軽々とうち消されると厭になるな、ホント」
「う〜、唯子の剣がー」
「どうする、相川?」
「……大技をぶちかます。御剣、小鳥。時間を稼いでくれ。唯子、力を貸してもらうぞ」
 真一郎は大きく息をつき集中力を高める。
「『隔てられた世界にありし虚ろよ』」
「せいっ」
 いづみは【円架】を魔将の眼に向けて投げる。
 魔将はそれを軽々と避ける。
 しかし、いづみの狙いはそこにあった。
「もらったぁーっ!!」
 やや体制の崩れた瞬間を狙い、左右の手でそれぞれ首筋と右足のアキレス腱あたりを狙って【円架】を再度打つ。
 神速の斬撃で二本とも魔将は打ち落とす。
「『ありとあらゆるものを喰らいつくす虚ろよ』」
「『神の御力を持って悪しきものをうたん。裁きの鉄槌』」
 小鳥は苦手な攻撃系の奇跡で魔将を狙い撃つ。いづみに魔将が気を取られていたお陰で十二分に奇跡の精度、威力を上げていたために先程のように簡単には無効化できないはずであった。
「ガァァァッッッ!」
 先程とは違い魔将は身の毛のよだつ声を上げ、小鳥の術を迎撃し、相殺する。
「『我が求めに従い疾くその力を顕せ』」
 真一郎の呪文の内容に気がつくと術を完成させまいと魔将はそのまま真一郎に向けて衝撃波を打ち込む。
「『神よ、悪しきものから我が身を守りたまえ。光の盾』」
 小鳥は術に集中しきっている真一郎の前に出て素早く絶対防御魔法を発動させる。「きゃぁーっ」
 衝撃波と光の盾は相殺されたが、その勢いまでは消しきれずに小鳥は吹っ飛ぶ。
 いづみが天井を利用し三角飛びの要領で素早く小鳥の後ろに移動し彼女を受け止めた。
 そして、丁度その時、
「『物体消滅(ディスインテグレート)』」
 と、真一郎の術が完成した。
 魔将も呪文の妨害はすでに不可能と悟り、素早く『耐魔結界(アンチマジックシェル)』を作り出す。
 だが、それは真一郎の思う壺であった。
「いくぞ〜」
 それまで何の動きも見せなかった唯子が突如、魔将に向けて駆けだし宙へと舞い上がる。「真一郎と唯子のラブラブ必殺技ぁ〜」
「『力よ、刃に宿れ』」
 そして二人の声がハモる。
「「イクスティンクトブレード!!」」
 体温を、力を、存在をありとあらゆるものを奪いさる『虚ろ』が唯子の剣に宿る。剣に宿った『虚ろ』は辺りを浸食しながら、存在を続ける。一番『虚ろ』の間近にいる唯子はそれに耐えながら渾身の力を込め剣を振り下ろす。
 魔将は驚きで目を見開く。
 唯子の全身の力がこもった斬撃が真上から降ってくる。
 防ごうと魔剣を振り上げるがもう遅い。唯子の剣の方が一歩早く魔将の脳天に喰らいこむ。
「消えて、なくなれぇ〜」
 唯子の剣は何の抵抗もなく魔将を真っ二つに切り裂く。
 カラン
 何かがぶつかったような乾いた音が床からあがる。魔将の持っていた魔剣が支えられる者がなくなり落ちたのだ。魔将はそのまま文字通り消えてなくなっていた。
 合体奥義『イクスティンクトブレード』。真一郎の持つ最強の単体攻撃魔術『物体消滅』と唯子の渾身の一撃を組み合わせた彼らのパーティー最大の一撃必殺技である。
 人が扱う魔術とは不安定なものであり、上位悪魔以上の敵になると容易に無効化される。一方そんな敵は唯子の剣で傷つけることはできても致命傷となり得ない相手であることが多い。
 しかし、そのような敵でも体内で発動した魔術まで無効化できない。そこで真一郎は唯子の剣に魔術をのせることにより敵の体内で発動させるという荒技を考え出したのである。とはいえ誰でもできるという技ではない。一つでもタイミングを間違えれば真一郎か唯子がこの世から消え去ってしまう。この二人が息のあったコンビだからこそできる奥義なのだ。
「やったな、相川」
「真くん、唯子。お疲れさま」
 いづみがきびきびと小鳥がてぺてぺと駆け寄ってくる。
 真一郎は疲れたように右手を挙げ、微笑みを浮かべる。
 その時、
「いやぁ〜」
 と、甲高い悲鳴が上がった。
「どうした! 唯子!!」
 真一郎は即座に振り向く。
「唯子の、唯子の剣がぁ〜」
 見てみるとヒビが入っていた部分から綺麗に真っ二つに割れていた。
「脅かすなー!!」
 真一郎はどこから取り出したのかはりせんで唯子の頭を乱打する。「まだやつが生きていておまえを怪我させたんじゃないかと思ったじゃないか! そんな死にかけの声を上げるな!!」
「真くん。落ち着いて……」
 小鳥はとっさのことに呆れながらも真一郎をなだめる。「唯子も悪気があったわけじゃないんだし」
「あったら呪文の一つや二つぶつけているさ!」
「落ち着け、相川。戦士にとっては剣は命そのもの。今のは唯子の反応の方が理に適ってるぞ。パーティーリーダーがそうカッカするな」
「分かってる。……分かっているさ……。だけどな、ここは最下層なんだ。どんなときでも平常心じゃなかったら死ぬかもしれないんだぞ。……俺たちのパーティーはここで闘うには技量から見てホントのところはまだ早いんだ。俺は仲間を一人たりとも欠けさせたくないんだ……」
「……しんいちろー」
 真一郎の独白を聞き、唯子は感極まった。
 パーティーの一員という理由だけなのかもしれないが、自分の身のことをちゃんと心配してくれているという事実を知ったのだから。
「そう言うわけだ、唯子。相原も悪気があってお前にあたってるわけじゃない。そこらへんをちゃんと理解してやってくれ」
「……なーに言ってるの、いづみちゃん。小鳥と私の方が真一郎と付き合い長いんだからそれっくらい分かってるよー」
 唯子はいつもの笑顔でいづみに答える。
 みんながいつも通りになったのを見てから魔将の魔剣を指さしながら、
「で、真くん。お金になりそうなのあれっくらいみたいだけど……。どうする?」
 と、小鳥は話題を変える。
「呪われていたら洒落にならないしな。鞘もなさそうだし、誰が持つかだな……」
 真一郎も自分の言ったことが少し照れくさかったからすぐにその話題にのった。
「唯子の剣の鞘に入りそうだよ。剣先は真一郎の魔法で消えちゃったし、この剣を入れていても意味ないから唯子が持つよ」
「うーん、それしかないか……。でも気をつけろよ、呪いがこめられているかもしれないからな」
「だーいじょうぶだよ。唯子は強いからね」
 強気な言葉とは裏腹に細心の注意を持って魔剣を拾い上げ鞘に収める。
「唯子、大丈夫か?」
「う〜ん。人を斬りたいとか、剣から手が放れないとかないから多分大丈夫だと思うよ」
「よかったぁ」
 小鳥は唯子の無事を我が事のように喜んだ。
「それじゃあ相川。地上に戻るか?」
「そだね。これ以上の戦闘は無理っぽいから帰るとしようか」
「わーい、美味しいごはんにありつける〜」
「迷宮用の非常食は不味いからなぁ……」
 真一郎は唯子の脳天気な発言に苦笑する。「でも気を抜きすぎだ。もう少し気合いを入れろ」
「……はぁーい……」
「なんだかな」
 いづみは肩を竦めその様子をにこやかに見守っていた。




●次の話へ●

  ●目次へ●