日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞(二宮和也) 最優秀助演女優賞(黒木華)
キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞(二宮和也) 助演女優賞(黒木華、3作品)
毎日映画コンクール 男優助演賞(加藤健一) 音楽賞(坂本龍一)
「50年以上の間、たくさんの映画を作ってきましたが、終戦70年という年にこの企画に巡り合ったことに幸運な縁と運命すら感じています。井上ひさしさんが、『父と暮せば』と対になる作品を『母と暮せば』という題で長崎を舞台につくりたいと言われていたことを知り、それならば私が形にしたいと考え、泉下の井上さんと語り合うような思いで脚本を書きました。生涯で一番大事な作品をつくろうという思いでこの映画の製作にのぞみます。」
山田洋次
1948年8月9日。
長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。
「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられんかったとさ」。
その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになった。
二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。
「あの子の幸せも考えなきゃね」。
「嫌だ!」
ふたりで過ごす時間は特別なものだった。
奇妙だったけれど、喜びに満ちていた。
その幸せは永遠に続くようにみえたが-。