
雨の日は雨を聞く。
真面目で、理屈っぽくて、 おっちょこちょい。 そんな典子(黒木華)は、 いとこの美智子(多部未華子)とともに 「タダモノじゃない」 と噂の武田先生(樹木希林)のもとで
〝お茶〟を習う事になった。 細い路地の先にある 瓦屋根の一軒家。 武田先生は挨拶も程々に 稽古をはじめるが、 意味も理由もわからない所作に ただ戸惑うふたり。
「お茶はまず『形』から。 先に『形』を作っておいて、 後から『心』が入るものなの。」 と武田先生は言うが---。
原作は人気エッセイスト、森下典子が茶道教室に通う20年の日々を綴ったロングセラー。瑞々しく描かれる心象風景や青春像、そして「お茶」がもたらす人生訓的な“気づき”の数々は、茶道経験者の枠を越え、様々な岐路に立つ読者にとって心の拠り所となっている。主人公、典子を演じるのは黒木華。その卓越した演技力で、一人の女性の人生をたおやかに演じる。監督・脚本は大森立嗣。初タッグとなるこの二人によって描き出される時の流れは、美しく、そして儚い。武田先生を演じる樹木希林は「習い事の先生」という枠を大きく超えた人生の師匠として、大きな包容力で典子たちを導いていく。そして、典子のいとこ・美智子約の多部未華子が、お茶室に飾られる一輪の花のように映画に彩りを与え、静かな物語に躍動感を与える。日本映画界屈指の実力派キャスト・スタッフで贈る、一期一会の感動作がここに誕生した。
