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これは、1986年に作られたドキュメンタリー映画です。数字やデータ、状況はその頃のものです。
「トイレのないマンション」
原子力発電所はよくこう呼ばれます
お分かりでしょうか?この意味が
核廃棄物とは何か!
原子力発電所の運転にともない、放射能によって汚染された洗浄水や冷却水、作業衣やゴム手袋、ビニール類などが低レベル廃棄物と呼ばれている。低レベルといっても部分的には強い放射能を出している。それらはドラム缶に詰められて発電所内に山のように積み上げられたままになっている。その数は約50万本を越えるといわれ、15年後には180万本にのぼると予測されている。
核燃料サイクルとは何か!
原子力発電と言っても、発電炉だけでなりたっているのではない。燃料となるウラン鉱の採掘・精錬・加工・原発での使用・使用済み核燃料の再処理・放射性廃棄物の貯蔵と処理・処分。この一連の流れを「核燃料サイクル」と呼んでいる。
日本政府は、1984年4月、青森県下北郡六ヶ所村に、ウラン濃縮施設、低レベル放射性廃棄物貯蔵施設、そして再処理施設を設置する方針を決定。しかし、茨城県東海村にある再処理工場は、1977年に運転を開始してから現在(1986年頃)まで稼働率10%。つまり故障続きで、すでに建設費の10倍もの補修費が投じられたと言われている。
核廃棄物の処理・管理は可能か!
高レベル廃棄物の処理をめぐってさまざまな案が出されている。<宇宙への投棄><南極への投棄><無人島に貯蔵庫建設><海底への投棄><地球のマントル層への投棄>等、いずれも環境汚染をまぬがれなかったり、事故の可能性が否定できなかったり、また技術的に困難だったり、現実に本格的な対策として採用できるものはない。廃棄物を半永久的に処理・管理していく方法は、いまのところ皆無である。捨てどころのない廃棄物をためこむだけの原発は「トイレのないマンション」と呼ばれている。
核燃料輸送車をカメラが捉えた!
9月3日未明、大阪府泉南郡熊取町にある熊取燃料加工工場を輸送車が出発。パトカーに先導された8台の輸送車がものものしく港まで走る。この輸送車の撮影に成功!船に荷積みされた後、愛媛県の伊方原子力発電所に運び込まれるのである。熊取工場の他に、東海村、横須賀に核燃料工場があり、1年に30~60回全国の原子力発電所に向けて、私たちの街の中を走っている。
企画/鵜久森典妙、保木政男 撮影/山添哲也 プロデュース/鵜久森典妙
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