終戦から5ヶ月--その奇跡は、佐渡の地に舞い降りた
<ストーリー>
昭和21年1月14日。太平洋戦争の終結からわずか5ヶ月後。佐渡島の小さな村に、英国空軍の要人機
《ダコタ》が不時着した。
わずか5ヶ月前まで敵国だったイギリス兵の予期せぬ来訪に、驚き、戸惑う村民たち。
だが「困った人を助けるのが『佐渡ん人間(さどんもん)』の精神」を貫き、国境を越えた友情と絆を育み、《ダコタ》をふたたび大空へと飛び立たせていく・・・。
これは、終戦直後にあった真実の物語である。
<解説>
今、蘇る「絆」
64年の歳月が流れ、《ダコタ》の修理を行った整備士の息子が、佐渡を来訪するという出来事があった。
彼は、すでに他界した父がこの地で大変お世話になったこと、そして、もう一度佐渡に行きたいという思いを馳せながら亡くなったことを告げた。
国境を越えた「絆」は、いまでも人びとの心に脈々と生き続けていたのだ。
これを機に、「この事実を風化させてはならない」と願う地元フィルムコミッションの熱い働きかけによって、佐渡島での全編オールロケによる映画が完成した。
痛みを共有した現代人にこそ響く、“真実の人間愛”の物語
『飛べ!ダコタ』が描く世界は、現代の我々の生活とかけ離れたものではない。
2011年、私たちは未曾有の大災害を経験し、今もなお多くの人びとが再生への道を模索している。
国家間では領土問題なども深刻化。
人と人との絆、失意からの再生、国と国との相互理解が問われている現代だからこそ、先人たちが残した足跡を見つめ直すことが必要ではないだろうか。
そこには必ず、時代や国境を越えた“真実の愛”が見えてくるはずである。