
賢治の考えていたゴーシュは決してかけだしの新米演奏家ではなく、前に別の楽団にいたこともあるウダツのあがらぬ職業楽士でした。長年のヘボ楽士が突然名人に変貌する。そこには寓話としての強さと明快さがありますが、私達はやはり自分達の素直な読みにもとづいてゴーシュを煙草を吸うには若すぎるくらいの青年にせざるをえませんでした。
『パンダコパンダ』『火垂るの墓』の演出や『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』のプロデューサーとして、数々の珠玉の作品を遺し、膨大な知識と豊かな想像力で日本のアニメーションに多大なる影響を与えた高畑勲監督。
映画がまだ、活動写真と呼ばれていた頃、ある田舎町のはずれに、ゴーシュという青年が住んでいました。ゴーシュは金星楽団の一員でセロ(チェロ)の演奏者です。


