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読み方の片々の技術

   読み聞かせの技術をあげるためのページです
             千葉昌之 HIP


1.読む技術などいらないA

 そんなことよりももっと大切なのは、そのような作為を捨て去った後に残る、いかにもその人らしいありのままの言葉づかいや行動、物腰、しぐさ、表情といったものであろう。ありふれた場で、ありふれた形でさらけ出されているありのままのその人の姿こそが、子どもの日々に大きな影響を与えていくのである。(『豊かな言葉の教育』明治図書235頁)

 またまた、これを言ったら始まらないのですが、これがやはり大切ですよ。みんな同じ読み方だったら、面白くないですよ。私は、声が少し低いです。それもまた、私の読み方の個性だと思っています。また、身振り手振りも入ります。それもまた個性でいいやと思って読み聞かせています。

 「声の高い人」「声のゆったりした人」「小さな声の人」「大きなやかましい声の人」・・・みんな、自分の親からもらったものです。その自分の声を生かして、読み聞かせてもらいたいと思います。

2.読み方の片々の技術

 教師の位置ですが、やはり教室の前の中央が良いと思います。子ども全体が見渡せる位置が良いと思います。
 「立つべきか」「座るべきか」。これは迷うでしょう。私は9年間、座って読み聞かせをしてきました。今年度は立って読み聞かせをしています。今は、立った方が良いかと考えています。

アイデア1   子どもの前に立って読み聞かせる。(教室で読む場合)

 座ると、目が合いません。というより、後ろの子どもが全く見えません。後ろの子は「ノートにものを書いてしまう」なんていうことが起こります。これもひとえに、私の読み聞かせの技術が低いからでしょう。しかし、「子どもと目を合わせる」ということは大切かと考えます。教師が子どもを見る⇔子どもも教師を見る。こういう姿勢が大切かなと考えます。
 正直なところ、立った方が子どもはよく聞くよう(に見えるだけかも知れませんが)です。

アイデア2    読み聞かせながら、歩いたり、身振り手振りを入れたりする。

 「立つ」という行為によって、動作が可能になります。早足で歩いたり、ゆっくりと歩いたり、急に立ち止まったり・・・それだけで話の雰囲気を変えることが出来ます。「急に立ち止まり、間を置く。そして、ゆっくりと子どもと正対する」重要な場面では、こんなことをすることもあります。「立つ」という行為によって生まれる行為です。
 また、「手は口ほどにものを言う」と言いますが、手で表情をつけることも、また、大切なことです。

アイデア3    たまには、1名の子どもに話し掛けるように語る。

 「君はなぜ、そんなことをしたのだ。」という会話文があるとします。このときに、1人の子どもに話しかけるように言うのです。みんなの視線がその子に集中します。かくして、読み聞かせの中に集中が生まれます。
 「そんなこと知らないよ」とか「さあ、どうしてかな」と答える子どももいます。教室の中にちょっとした笑いも生まれます。
 無理やり質問するということではなく、「ちょっと1人の子にふってみる」という感じでやると良いでしょう。

 集中していない子に、ちょっとふるということもあります。もちろん、責めるのではなく、さりげなくです。

アイデア4    重要な場面では、教師の気持ちを入れる。

 「あきらは、そう言って、たけしの手をはらいのけたのです」という記述があるとします。私は、「この行為はひどいなあ」と言うことがあります。感想は聞き手に全てまかせたほうが良いということも言えるでしょうが、教師の思いもたまには、入れたほうがいいかと思います。5分に1回あるかないかですけれども。
 「ひどいねえ」とか「これは、すごい。おもしろい」「この部分は、ちょっと読みたくないんだけどなあ」とかです。これもまた、子どもが集中する要素となりえます。

アイデア5    難しい語句のところでは、教師の解説を入れる。

 「のぶおは、驚愕しました」という記述があるとします。その後、「驚愕とは、ひどく驚くことです」と簡単な解説を入れます。話の中でわからない言葉があると、その後の展開がわからなくなったり、話に興ざめしたりします。低学年程、解説は大切になってくるかなと思っています。もちろん、解説は簡単に行わないと、だめですが。

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