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読み聞かせ前後のアイデア

   読み聞かせの技術をあげるためのページです
             千葉昌之 HIP


 読み聞かせ」を「読み聞かせ前」と「読み聞かせ中」「読み聞かせ後」の3パターンに分けて考えてみます。「読み聞かせ中」の技術は他ページで述べています。ここでは、読み聞かせの前と、後のアイデアについて考えてみます。
1.読み聞かせ「前」のアイデア

 人によって行う時間が違いますが、私は通常、朝の会が終わり次第、読み聞かせを行っています。

アイデア1    電気を消す。

 「電気を消しなさい。」この言葉から始まりますが、慣れてくると、朝の会が終わるが、電気のスイッチの近くの子ども達が電気を消しに行ってくれます。低学年になると、この行為(電気を消す)を競争のように取り組みます。しかし、現在の高学年でも同様です。消す行為を楽しみとしてやっているようです。大切なのは、「消してくれて有り難う」と言う事です。消す子はたいてい同じでしょうからいつもは言う必要は無いかもしれませんが、たまには、「いつも、有り難う」と言うと良いでしょう。

 消す効果は、はっきりしたことは言えませんが、集中させるためでしょう。暗いと雰囲気も読み手の方に集中する気がします。気のせいかもしれませんが、子どもに期待感を持たせるのかもしれません。暗くなると「わあー」と子どもは言います。これは、「何が始まるのだろう」という一種の期待感があるからかなと考えています。

アイデア2    手に持っているものを置かせる。

 「持っているものを置きなさい」これも必要な指示です。「話の聞き方」というしつけに関わる部分かもしれません。この指示は、逆に慣れてきた時の方こそ使います。読み聞かせの最中に「字を書いたり」「本を読んでいる」子が出てきます。特に高学年です。これは、読み聞かせで子どもを引きつけられなかったということか、教師が指示をしていないからという事で、教師サイドの過ちだととらえましょう。怒った気持ちでいい読み聞かせは出来ません。

アイデア3    (子どもをほめるために)話の内容についての質問をする。

 勘違いしないでいただきたいのは、「内容をどれだけ覚えているのか」をテストするわけではないということです。

 「えーと、仙人の名前は・・・うーんと」少し悩みます。すると、「先生、てっかしんという名前だよ」と必ずだれかが言います。すると、「さすがだ。君は。そんな難しい名前をよく覚えていたねえ」と思いっきり誉めます。これを何回か続けると、「え〜、主人公は」と言っただけで、「あきら」なんて、子どもの声があちこちから聞こえてきます。

 毎日やらなくても、たまにでいいのです。私は、アッ、集中していないなあという時にこれをやります。 こうして、読み聞かせが始まります。

2.読み聞かせ「後」のアイデア

アイデア4    読んだページにあるイラストを見せる

 これは、「物語のイメージが壊れる」と言って、この行為をしない方もいるかも知れません。私もいつもはやりません。「子ども達が喜ぶイラストの場合」や「イラストが理解を深めると考えた場合」「イラストによりイメージを強くすると考えた場合」だけです。

 いずれの場合も、子どもたちは食い入るようにイラストを見ます。そして、「変だ」とか「怖い」とか「気味悪い」「面白い」だの色々なことを言います。

 低学年の場合は、イラストが理解を助ける場合が多いかと考えます。

 なお、イラストは小さいので、各班の前を歩きまわり、じっくりと見せてあげると良いでしょう。

アイデア5    タイマーの音に気がつかなかった子をほめる。

 「えっ、タイマー鳴ったの」「タイマー鳴ったのみんな知ってた」「タイマー鳴ったの知らなかったよ」こんな言葉がたまに聞かれます。これは、子どもが集中して聞いていた証拠です。すぐに誉めましょう。「それは、集中して聞いていたから、気がつかなかったんだよ」と。この誉めたことが良い聞き方につながるかもしれませんから。

アイデア6    読み終わった本は、その場で貸し出す。

 「読み終わった本は文庫に入れる」という鉄則がありますが、私はその前に貸し出します。「この本よを読みたい人いませんか」と。これは、殺到します。クラスの半分以上が立ちます。立つということは、じゃんけんに参加するという意思の現われです。

 私のクラスでは、ジャンケンで借りれる人を決めます。私(先生)とじゃんけんをして、負けた人だけ座ります。勝ちとあいこの子はそのままじゃんけんに参加できます。何回かやると、2〜3人が残ります。残った2〜3人でじゃんけんをさせ、勝った子どもが借りることができるというシステムです。このシステムでは、「ただじゃんけんをしたい」という子が立つことがあります。でも、それでいいじゃありませんか。本を読もうという子が増えたと思えばいいのです。

 アイデアと呼べないようなものもありますが、参考にしてください。「ほめて」「楽しませ」教師も子どももハッピーに終わるということが大切だと常に考えています。

 朝の読み聞かせは1日の始まりです。「怒って」「叱って」始まったら、1日の気分が壊れてしまいます。実は、こんな隠れアイデアもあるのです。

隠しアイデア    子どもを怒った時等、教師の気分が沈んでいる時にすぐ読み始める。

 朝の会で子どもを怒ったり、朝に嫌なことがあったり・・・。そんなことはあって当たり前です。そんな時こそ、すぐに読み聞かせです。読み聞かせがのってくると、朝の怒りや嫌なことも忘れてしまいます。こんな単純じゃあ、いけないかもしれませんが、朝を気持ちよく始めるためのアイデアかと考えます。

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