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「怖い話」の盛り上げ方

   読み聞かせの技術をあげるためのページです
             千葉昌之 HIP


1.怖い話の「場」づくり
 まずは、「場」の設定が大切です。場の設定、その1は次のことです。

 電気を消す。「電気を消しなさい」

 人間は、暗ければ暗いほど集中します。学芸会の時や、講演会の時、観客席の電気を消しますよね。あれは、「壇上に集中させるという効果」と「観客側の気持ちを落ち着かせる」という効果があるようです。

 もちろん、私は後者の効果をねらっています。暗いとなかなか雰囲気が出ていいですよ。

 さて、「怖い話」の時は、もう一工夫します。

 カーテンを閉める。「カーテンを閉めなさい。」

 こうなると、もうホラーミステリーの世界です。

 私のクラスでは、「怖い話をします。」というと、窓側の子どもはカーテンを閉めに行きます。電気のスイッチに近い子どもは電気を消しに行きます。暗黙の了解になっています。曇りや雨の日にはさらに暗くなり、雰囲気がでます。

2.「怖い話」の盛り上げ

 まずは、「間」の調整です。

普通の読み聞かせより「間」を長く取る。

 「階段の数を数えていったのです。1段・2段・3段・4段・・・・・5段・・・」というように、「何かが起こるな」という場面では必要以上に「間」を取ります。子どもは、息を呑んで聞いています。

いきなり、大きな声を出し、驚かす。

 静かに、間をとりながら読んでいる中で、いきなり「ワ〜ッ」とか、その部分を大きな声で読みます。子どもたちのびっくりようと言ったら・・・。今でも,「先生、あの時はびっくりしたよ」などと言ってくれます。

 びっくりさせるのがいいとは言えませんが、これも技術のうちではないでしょうか。読み聞かせを楽しくするためには。

 しかし、毎回、驚かすと効果は減ります。「子どもが忘れた頃に」驚かすのがよいでしょう。

3.「怖い話」のリスト

 映画「学校の怪談」のヒットにより、学校の怪談の話は莫大な量が出ています。私が読み聞かせた「怖い話」の中から4点を載せておきます。

■日本民話の会編のこわーい話(ポプラ社)
 「学校の怪談編集委員会」と題して、学校にまつわる話全20巻(かな)を出しています。子どもに1番人気です。本屋でも、発売当時は売り切れ続出だったようです。人気の理由は次の2点です。
@話がリアル(学校ならではの話なので、今すぐにでも起こりそうな話です。)
A絵がかわいい(話とのアンバランス。子どもに絵を見せると、喜びます。ちびマル子ちゃん風のイラストです。)右上写真
■日本児童文学者協会編のこわーい話(偕成社)
 「本当にあったおばけの話」が売りの本です。全10巻を出しています。その話の作者の市町村名が書かれています。「これは、この町の人が書いた話なんだよ」などというと、「えーっ。そうなの」と驚きの声が出ます。
■石田泰照編のこわーい話(黎明書房)
 教師の「怖い話の読み聞かせ用」として開発された本です。字が小さいのが難点です。難しい字が多く、子どもが自分で読むのはちょっと無理かもしれません。また、難語句が出てくるので、教師がわかりやすい言葉に直してやることが必要だと思います。
■大川悦夫編こわーい話(フォア文庫)
 この方は、民話を数多く編集しています。怖い話も多いけれども,「笑い話」も多くあります。この方が編集した「子育てゆうれい」という本はオススメです。

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