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向学心を持とう

   教室で子ども達に語る「心の話」のページです
           千葉昌之 HIP


1.どんな時に話すのか

■学級開き・または、学級おさめの時に  ■勉強に嫌気がさしている子への話として  ■勉強に(授業に)、真剣に取り組んでもらいたい時に  この話は次の本を参考にしています。(『366日のためになるおはなし』 305頁 東陽出版) 

2.教師の話

 今から、80年ほど前のお話です。「金色夜叉」というお話を書いた、尾崎紅葉という小説家が、重いガンという病気にかかりました。

 新聞が、ニュース欄で『尾崎紅葉の命は、あと3カ月しかもたないと医者が言った』と、新聞の読者に知らせました。

 ある日のことです。こんな重い病気の紅葉が東京の丸善という本屋にやってきました。そして、本屋さんにこう尋ねました。

ブリタニカという外国の本はないかね。

 ブリタニカというのは、大変値段の高い外国の百科事典です。

 店屋の人はびっくりしました。新聞で、紅葉の命のことを知っていたからです。「3カ月しか命の残っていない人が、こんな高い本を買って勉強しても、何の意味もないことだ。」と考えました。さらに、紅葉はとても貧しかったのです。

 そこで、店屋の人は紅葉にあきらめさそうと思い,うそを言いました。

ブリタニカは、外国から取り寄せますので、2か月ほどかかります。

 このあと、紅葉は、何と答えたと思いますか。次の3つの中から選んでみてください。

@そうですか。2カ月なら大丈夫だから、届けてください

Aえっ。そんなにかかるのなら、やめにしてください

Bじゃあ、他の店をさがしてみるよ。どうも有り難う

 紅葉は、次のように答えたそうです。

 そうかい。2カ月後なら、まだ頭もしっかりしているだろうから間にあう。本が届き次第、届けてくれ。

 そういって、注文を済ませ、いそいそと帰っていきました。

 店の人は、紅葉の後姿を見送りながら、「何という勉強熱心な人だろうか。」と、激しく心をうたれたのでした。

 みんなは、紅葉の何百倍の命が残っているよね。紅葉をお手本にして、頑張ろうね。

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