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失敗があるから成功がある

   教室で子ども達に語る「心の話」のページです
           千葉昌之 HIP


1.どんな時に話すのか

■子どもが失敗続きで悩んでいるときに  ■「楽なこと、面白いこと」しかやりたくないと考えている子に  この話は次の本を参考にしています。(篠原佳年 『快癒力』 58頁 サンマーク出版) 

2.教師の話

 何をやっても失敗ばかりしている人がいました。世の中が嫌になって、自殺しようとしましたが、それにさえ失敗してしまうありさまでした。 

 もう、どうしようもなくなり、橋の上で神様に、こうお願いしたのです。

私に、幸せな人生と健康を下さい。

 そうすると、神様が出てきて、「よし、あげましょう」と言って、幸せな人生と健康をくれたのです。

 それからというもの、その人の人生はすべてうまくいき、お金はいっぱいあるし体の調子もいいし、何をやっても全てうまくいく、というようになりました。

 「こんな幸せはない」と喜んでいましたが、そのうち、楽しいことにも飽きてきました。

 たまには失敗して苦しんでみようと、いろいろ無茶をやってみるのですが、何をやっても成功してしまいます。前は、あれほど成功を望んだのに、それが今ではうっとうしいのです。

 ほとほと、生きるのが嫌になって、また自殺を試みますが、死ぬことはできませんでした。

ああ、これはまさに生き地獄だ。神様、何とかしてください。

 再び、神様が出てきて、「わかった」と言いました。

 その瞬間、その人は目を覚ましました。失敗続きのその人は、橋の上で夢を見ていたのでした。

 さて、ここで問題です。この人が目を覚まして、橋の上で何を思ったのでしょうか。

@夢で安心した。現実のほうがいい

Aやっぱり、夢の中の状況の方がよかった

B川に飛び込んで死んでしまおう

 この人は、「今のほうがいい」と思ったのでした。いつも「楽しいこと」ばかりなら、そのうち、「楽しみって何だろう」ってなってしまうよね。辛いことばかりでもいつかは楽しいことがあるかもしれない。つらいこと、悲しいことがあるから、楽しいことがあるんだよね。谷があるから、山もあるのです。

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