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他人の非をだまっているのもやさしさである
教室で子ども達に語る「心の話」のページです
千葉昌之 HIP
1.どんな時に話すのか
■他人の非を強くせめている子どもを見て ■だれかが、大きな失敗をした時に ■道徳のお話として ■教師の失敗時に この話は次の本を参考にしています。( 『366日のためになるおはなし』 227頁 東陽出版 )
2.教師の話
西郷隆盛という人を知っていますか?その人の、若い頃のお話です。
ある日のことです。西郷隆盛は忙しい用事があったので、朝食を済ませて外出しました。
その後、西郷隆盛の弟の従道が朝ごはんを食べようとすると、どうしたことかみそ汁に味がついていません。朝ごはんを作ったおばあさんが,付け忘れたのでしょう。
おばあさん、みそ汁にミソが入っていないじゃないか。 |
と、大きな声でおばあさんを叱りました。
おばあさんは、びっくりして「ごめんなさい」と言いました。
そして、その後、次のように言ったのです。
変だねえ。お兄さんにも同じみそ汁を出したのに。 |
さあ、ここで問題です。
お兄さんの西郷隆盛は、どうして気がつかなかったのでしょうか? |
次の3つの中から選んで下さいね。
@わざと、知らないふりをしたから
A急いでいたので、言うヒマがなかったから
B実はみそ汁を食べていなかったから
正解は、@です。弟の従道は、兄さんがみそ汁を食べていないのだと思いました。しかしおばあさんは、次のように言いました。
お兄さんは、おいしそうに、少しも残さずに召し上がりました。 |
兄さんの西郷隆盛は、実は気がついていたのでした。そこで、初めて弟は兄の心遣いを知りました。
「ああ、何という立派な兄さんなのだろうか。おばあさんへやさしさで、黙って食べたのだ。」
西郷隆盛は、人間としても立派で思いやりがあったのですね。