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「できるようになる」という気持ちが大切

   教室で子ども達に語る「心の話」のページです
           千葉昌之 HIP


1.どんな時に話すのか

■泳げずに、あきらめている子がいる時に  ■「できるようになりたい」という気持ちを子どもに持たせたい時に  この話は次の本を参考にしています。( 志賀一雄 『アルファ脳波の驚異』 ごま書房 141頁 ) 

2.教師の話

 「ホンダ」という自動車やバイクで有名な会社があります。みんなもよく知っているよね。そのホンダの会社を作った本田宗一郎さんという方のお話です。

 本田さんが子どもの頃、泳げるということは尊敬のマトだったそうです。しかし、本田さんは泳げませんでした。何とかして泳げるようになりたいといつも願っていました。
 そこで本田さんは、泳ぎのうまいある上級生に、こう聞きました。「どうしたら、泳げるようになるの。
 すると、その上級生は、こう言ったのです。

 生きているメダカを飲み込めば、泳げるようになるんだよ。

 もちろん、そんなことはうそです。でも、小さかった本田さんは、それを信じてしまいました。そして、メダカをつかまえて、本当に飲んでしまいました。それどころか、毎日、毎日、ザルでメダカをすくっては飲みつづけていました。
 でも、泳げるようにはなりませんでした。

 本田さんは、考えました。「どうして、泳げるようにならないのだろう」そして、次の考えにたどり着いたのです。

泳げないのは、飲んだメダカが小さすぎたのではないのかな。よし、大きなメダカをつかまえて飲もう。

 そして、やっとのことで、3センチメートル以上もある大きな立派なメダカをつかまえました。つかまえるとすぐに、そのメダカを飲み込んだのです。メダカは口から食道へ、食道から胃の中へとビチャビチャと泳ぎながら入っていきました。
 さて、ここで問題です。本田さんは、この後、どうなったのでしょうか。次の3つの中から選んで下さい。

 @本当に泳げるようになった

 A病気になってしまった

 B全然、泳げるようにならなかった

 本田さんは、飲んだ時、「こんな大きなのを飲んだのだから、絶対に泳げるようになる」と思ったそうです。
 実は、それから何日もしないうちに、本田さんは泳げるようになってしまったのです。
 さて、本田さんを泳げるようにさせたのは、本当にメダカなのでしょうか。

 ちがうよね。本田さんの「泳げるようになりたい」、「できるようになりたい」という気持ちが泳げるようにさせたんだよね。
 みんなも何かに取り組んで、「できない」とか「もうだめだ」と思うことがあるよね。そんな時に大切なのは、本田さんのような「できるようになりたい」という気持ちを持つことなのです。そのやる気が一番大切なのです。

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