学級経営/学年総合/心の話/困っている人がいたらやさしくしよう
困っている人がいたらやさしくしよう
教室で子ども達に語る「心の話」のページです
千葉昌之 HIP
1.どんな時に話すのか
■他人のことをからかった子がいた時に ■道徳のお話として ■他人のことをやさしくかばってあげた子がいた時に この話は次の本を参考にしています。(『366日のためになるおはなし』 224頁 東陽出版)
2.教師の話
今から90年程前のお話です。岩手県のある小学校3年生のクラスに、貧しい家の子どもがいました。
ある雪の日のことです。この男の子はシャツを買ってもらえないため、お姉さんのおさがりの赤い色のシャツを着て、学校に行きました。
すると、まわりの子ども達は、おもしろがって「赤シャツ、赤シャツ」と言って、その男の子をからかいました。
それを止めに入ったのが、ある少年です。少年は次のように言いました。
君達、よせよ。寒くさえなければ、どんな色のシャツを着ていてもいいじゃないか。 |
と言って、たしなめました。
ところが、からかった子ども達は、やめようとしませんでした。とうとう、赤いシャツを着た男の子は、泣き出してしまいました。
次の日のことです。昨日止めに入った少年が教室に入ってきました。そのとき,みんなは驚きました。どうして驚いたのか、わかりますか。
@赤シャツの少年と、肩を組んで入ってきたから。
A少年のお姉さんを連れてきたから。
B止めに入った少年が、赤シャツを着ていたから。
何と、この少年は赤色のシャツを着て、学校に着たのです。みんなはびっくりしました。特に、男の子をからかった子ども達は、とても驚きました。そして、貧しい家の男の子と、この少年に「昨日のことはごめん。」とあやまりました。このかばった少年の名前を宮沢賢治と言います。宮沢賢治少年は、口で言ってもわからないから、態度で示したんだね。
宮沢賢治少年の家は、お金持ちでしたが、貧しい人のことを良く考える、やさしい心の持ち主だったのです。37歳で亡くなりましたが、楽しくやさしく、美しい童話や詩をたくさん、書き残しました。