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うぬぼれてはいけない
教室で子ども達に語る「心の話」のページです
千葉昌之 HIP
1.どんな時に話すのか
■うぬぼれを持っている子どもに対して ■人間は、外見より内面が大切だということを教えたい時に この話は次の本を参考にしています。(花岡大学 『3分間で読む人生の極意』 同朋舎出版 26頁)
2.教師の話
みんなは、「ガリバー旅行記」という本を知っているかな。この本は、世界的に有名な話です。
この本を書いたのは、イギリスの作家、スウィフトという人です。
ある日、スウィフトの家に、印刷出版業を営んでいる友達のフォークナーという人が訪ねてきました。フォークナーは贅沢な服を着て、いかにも得意そうな顔をしてやってきました。そして、こう言ったのです。
しばらくごぶさたしていたが、実はロンドンへ行っていたのだ。今、帰ってきたばかりだから、あいさつに寄らせてもらったよ。 |
すると、スウィフトは、次のような行動をとりました。その行動とは、次のどれでしょうか。
@「知らない人だ」と追い返した
A友人を厚くもてなした
B頭から水をかけた
スウィフトは、いかにも不機嫌そうな顔をして、こう言ったのです。
私は君を知らないが、お名前は。 |
フォークナーをそれを聞くと、驚きました。「君、ぼくを忘れたのかい。フォークナーだよ。」と言いました。すると、スウィフトは、
いや、それなら君は、フォークナーの名前を語るにせものに違いない。 |
それを聞いて、フォークナーは「ああ、そうか。」と気がつくと、自宅に帰って、いつもの質素な服に着替えて、再びスウィフトの家を訪ねました。すると、スウィフトは喜んで、これをむかえ、
やあ、君か。さっきね、贅沢なバカげた服装をした男が、君の名前を語ってやってきたので、追い返したところだよ。 |
と、真面目な顔をして言いました。
スウィフトは、高慢(うぬぼれが強く、高ぶっていること)な友人をとがめようとして、このような態度をとったのでした。
高慢な態度や心は、その人を悪くみせます。他人を嫌な気持ちにさせてしまうのです。