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はきものをそろえると心も落ち着く

   教室で子ども達に語る「心の話」のページです
           千葉昌之 HIP


1.どんな時に話すのか

■学級のはじめの4月や学期のはじめの話として  ■クラスの靴箱が乱れているのを見つけた時に  ■クラスに落ち着きが見られない時に  この話は次の本を参考にしています。(清水英雄 『ありがとう 人間大好き学』 総合法令 68頁) 

2.教師の話

 宮田君という人がある会社に入りました。彼は、やる気はあるのですが、仕事の成績はあまりよくありませんでした。
 ある朝、「元気だけがとりえ」と自慢していた彼から電話が入りました。「風邪をひいたから、今日は休ませてほしい」という電話でした。
 上司の河崎課長は少し心配になり、午後から宮田君の家に行ってみることにしました。

 ところが、宮田君の家に行ってみて、びっくりしました。さて、何に驚いたと思いますか。

 @宮田君が、起きて、勉強していたから

 A宮田君の家の玄関に靴がちらばっていたから

 B宮田君が、テレビゲームをして遊んでいたから

 実は、玄関に入ってみて驚いたのです。靴がバラバラに脱ぎ捨ててあるのに、びっくりしたのです。背広は脱ぎっぱなし。台所はゴミの山。机の上には、新聞や本が山積みになっています。
 日ごろ、会社で5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)と、口をすっぱくして言っているのに、このありさまでした。見舞いどころではなく、課長は3時間程かかって、部屋を掃除してあげました。

 さて2日後、すっかり風邪のなおった宮田君は、また元気に出社してきました。
 その時、河崎課長は宮田君の目の前に、1枚のポスターを広げました。(右の資料はコピーしたものです。長野市、円福寺 藤本幸邦住職が作成したものです。)ポスター上部には、次のように書いてあります。

                 はきものをそろえる

    はきものをそろえると     心もそろう
    心がそろうと         はきものもそろう
    ぬぐときに          そろえておくと
    はくときに          心がみだれない
    だれかが           みだしておいたら
    だまってそろえて       おいてあげよう
    そうすればきっと       世界中の人の心も
    そろうでしょう

 河崎課長は、これを読み上げました。そして、宮田君に言いました。

 分かるか、宮田。靴が、ひっ散らかっているということはなあ、心が乱れているということなんだ。

 そして、宮田君は、その後、靴をそろえることから始め、5S運動を頑張ってやり遂げたそうです。それと同時に、仕事の成績もよくなり、今では河崎課長の片腕として、バリバリに活躍しているそうです。

 心が落ち着いていると、何でもきちんとできるようになります。では、心を落ち着けるには、どうすればよいのか。まずは、はきものをそろえるということから頑張る。普段やっている何気無いことをきちんとやることが、心の落ち着きを生むことにつながるのです。

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