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ほんのいたずらが大変なことを招く
教室で子ども達に語る「心の話」のページです
千葉昌之 HIP
1.どんな時に話すのか
■いたずらも、度が過ぎるといけないという話として ■社会常識を持たせる話として この話は次の本を参考にしています。(日本自動車連盟 『ジャフメイト 1997年10月号』 )
2.教師の話
道路には、色々な標識があります。
これから話すのは、その標識にいたずらをした人の話です。
1996年の2月、アメリカのフロリダ州でトーマス、ニサ、クリストファーの3人がお酒に酔って、いたずらで道路標識をはずして、家に持ち帰ってしまいました。
さて、この3人は、どんな刑になってしまったのでしょうか。 |
@謝って、ちゃんと返したので、罪にはならなかった。
A多額(10万円)の罰金を支払った。
B牢屋に入れられてしまった。
答えは、これからはなすことを聞いていればわかります。
実は、3人は「一時停止」のストップの看板を持ってきたのです。日本では、こんな逆三角の赤い標識です。止まれと書いてあります。(黒板に図を書くとよい)
この標識が無いと、車は止まらずにそのまま進むことになります。
実は、その日の深夜にこんな事故が起こりました。
乗用車が交差点に差し掛かった時、一時停止の看板が無いので、そのまま直進したのです。その時、横から18トントラックが来たのです。乗用車は側面を激突され、乗っていた3人は即死しました。 |
さて、ここで、標識をとった3人が裁かれました。そうです。3人がいたずらをしなかったら、乗用車は一時停止をして、トラックに激突されることはなかったのです。3人が死ぬこともなかったのです。
3人の罪は2つありました。盗み、つまり窃盗と、殺人の罪です。3人は少年ということで「懲役15年」になりました。これから、15年間、牢屋の中で暮らさなければならないのでした。本当は無期懲役といって、死ぬまで牢屋にいるという予想が出ていたので、この判決は軽いものでした。
3人は普通の人でした。いじめもしていなければ、万引きなどの非行もまだ一度もしたことのない子ども達でした。ただ、ほんの少しのいたずらが、15年間も牢屋で過ごさなければならないことを招いてしまったのです。
これは「殺意無き殺人」と呼ばれています。殺すつもりが無いのに、殺人を犯してしまうことです。このように、いたずらが殺人を生むこともあるのです。