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第1章をクリアするために(ハリー·ポッターと賢者の石)

   「ハリー·ポッターと賢者の石」の読み聞かせをする人のためのページです
             千葉昌之 HIP


1.「ハリー·ポッターと賢者の石」とは

 「ハリー・ポッター」シリーズは、現在、世界35か国語で訳され、3800万部の超ベストセラーになっています。(平成12年10月現在)孤児でいじめられっ子のポッター少年。セロテープで貼り合わせたメガネをかけ、やせてそれこそ針みたいなハリー・ポッタ−。11歳の魔法使いの少年です。このファンタジーが世界中の子ども達を夢中にさせています。先日、第2巻が出ました。シリーズで7巻が出る予定です。

 まず一度、読んでみることです。これが一番、この作品をわかっていただけると思います。ただ、このページを見て、読み始めようとする方もいらっしゃるので、少し紹介します。
 「ハリーポッターと賢者の石」は「静山社」という出版会社から出ています。静山社は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)関係の本を出版するとともに、海外の優れた出版物の翻訳と出版に力を入れている会社です。現在は「ハリー。ポッター」シリーズを翻訳している松岡佑子さんが社長となっています。亡き夫のあとをつがれて‥‥‥。
 表紙の裏に、筆者のJ.K.ローリング氏について書かれていますので、引用してみます。
 1965年生まれ。英国ウェ−ルズで育つ。小さい時から書く事が好きで、5歳の時、最初の物語を書いた。エクスター大学に入学。フランス語と古典を専攻。最愛の母親が1990年に死亡した後、ジャーナリストと結婚。女児出産、離婚の後、スコットランドに移った。現在、エディンバラに住む。
 シングルマザーで、幼い子どもを抱え、生活保護を受けながら、コーヒー店の片隅でたった1杯のコーヒーを注文し、子どもが寝ている間に書いた処女作が、『ハリー·ポッターと賢者の石』、7巻シリーズの第1作である。
 1997年6月に英国で出版され、瞬く間にベストセラーとなり、スマーティーズ賞をはじめ世界中の賞を総なめにした。

2.私の読後の感想

 私は、この本を2000年の5月頃に読みました。面白くて、3日間で全てを読みました。色々な感想があるでしょうが、私が真っ先に思ったのは次のことです。
   ●ある程度の読書をしている小学生(高学年)だったら、これを読めるだろうな。
ということです。ハリー·ポッターは11歳ですが、彼と同じ年齢ぐらいから読めるだろうと思いました。低学年には難しいかもしれません。また、ある程度の読書をする子どもでなかったら、このような厚い本(462頁)は読まないだろうと考えました。

 さらに考えたのは、次のことです。

「ハリー·ポッターと賢者の石」で読み聞かせができるのだろうか。

 私がこの本の読み聞かせを始めたのは11月になってからです。次のような理由で読み聞かせは無理かなと考えていたからです。
 ■読み聞かせの期間がかかり過ぎるのではないのか。「チョコレート戦争」では1か月なので、ハリポタでは3〜4か月以上かかるのではないのか。
 ■第1章の「ハリー・ポッターの生い立ち」の説明のところで、子どもは飽きてしまうのではないのか。
 最終的に、読む期間は問題ではないと考えました。となると問題は‥‥

第1章をどう読み聞かせるのか。

これにかかっていると考えました。第1章にハリーは登場しません。最後の方で、校長先生に抱かれたハリーが登場するぐらいです。しゃべったり、考えたりする場面はありません。説明調の文章が続いています。どちらかというと、子どもが飽きる場面です。私も最初、「何だ、思ったより面白くないな」と思いました。私の学校のある先生も第1章で少し飽きて本をほっぽりだしてしまったそうです。1週間ぐらいたってからまた読み始め、2章に入ったところから、もう目が離せなくなったと言っていました。
 第2章からは、ハリーの10歳からスタートします。ここから様々な事件が起こるからです。ここからは、一気に読んでしまいます。つまり、「第2章までたどり着けば何とかなる」のです。何とかなると考え直し、読み聞かせることにしました。購入してから実に半年、12年11月のことでした。

 3.第1章をクリアするために

@読んでいる子をほめる
 ハリポタを持っている子は3名いました。うち2名は第1巻を読み終えていました。1名はまだ読んでいる途中です。また、3名の中で1名は第2巻を読みかけていました。自習時間に読んでいるのを見ていました。その本をちょっと借りました。

 これは、世界中の子ども達を夢中にした「ハリー・ポッター」シリーズの2冊目の本です。すごく面白いと世界中で評判の本です。映画化され、撮影の段階に入っています。この1巻目をこれから読み聞かせていきます。

 そして、筆者のJ.K.ローリング氏について説明しました。「貧しく暮らしていた中で、この本を書いたこと」「お金持ちのなったことより、子ども達の笑顔がなによりのプレゼントであると思っていること」などを話しました。

A登場人物をまとめて提示する

 第1章のタイトルは「生き残った男の子」。つまり、ハリーがどのようにして1人ぼっちになったのかという話です。
 まず、ダーズリ−夫妻のやりとりから始まります。ダーズリ−夫妻は、後にハリーをひきとります。ハリーの親戚にあたります。このやりとりが、結構あります。次に、校長先生と教頭先生の会話による、ハリーの出生の秘密が語られます。これも結構あります。ページにすると、合わせて24ページになります。

 「この部分を飛ばせばいい」と思う方もいるかもしれませんが、ここは後の話の伏線となる部分です。また、「だんだん面白くなっていく」というのもいいではありませんか。

 第1章には次のような文章が出て来ます。
●マクゴナガル先生は鋭いまなざしでダンブルドアを見た。
●ダーズリ−氏がトロトロと浅い眠りに落ちたころ、塀の上の猫は眠る気配さえ見せていなかった。
 これを読みこなすには、次の知識が必要です。
■「マグゴナガル」とは教頭先生で、ダンブルドアは校長先生。猫は、化けた教頭先生。
 これがわかっていないとちんぷんかんぷんです。そこで、右上の写真のようにまとめました。           

これらの人物だけは、しっかりと覚えておいてください。

 1人ひとりを説明する前に言いました。また、説明した紙を黒板の横に貼っておきました。常に子どもの目に触れるようにです。

B読む練習

 これは私のHPの「読み方の技術」を参照して下さい。
 ただ、読んでいる時や読み始めの前によく質問しました。

校長先生って何て名前だっけ。 ダーズリー氏ってだれだった。

必ず1人か2人は、わかっている子がいます。その子を「よく覚えていたね」とか「すごいね、よく聞いていた」と褒めるのです。「とにかくほめる」これも第1章を読みこなすポイントの1つかもしれません。

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