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誕生日、詩のプレゼント

   読み聞かせのちょっとしたアイデアのページです
           千葉昌之 HIP


▼ この実践は、旭川市嵐山中学校の石川先生の実践を参考に行ったものです。

1.「詩」を贈ることを伝える

 朝、教室に入ってすぐに、子どもにこう言いました。

 今年は、誕生日に1人ひとりに詩を贈ります。「その人にあった詩」を贈るというのは難しいですが、1人ひとり違う詩を贈るので、楽しみにしてください。

 こう言って学級通信を読みます。よけいな説明は付け加えません。2年前は、学級通信の読み聞かせを行っていました。6年生に対してです。通信に書いたことは「子どもの良いところ」「詩の説明」「詩」の3点です。
2.誕生日の通信
▼ クラスで1番最初に12歳を迎えるのは○○君です。○組は4月に生まれた人がいないのです。珍しいですよね。○○君は、現在、飼育委員会で頑張っています。クラスで何の魚を飼うのか、わざわざ熱帯魚屋さんまで、見に行ってくれました。すずむしの飼育セットの土や木を入れてくれたのも○○君です。野球も好きなようで、○○○○のファンなのです。今年は○○○○は少し調子が悪いのでがっかりしているかもしれませんが、5月ぐらいからは本来の調子を出してくるかと考えています。選手の名前も先生以上によく知っています。
▼ さて、今年は誕生日に1人ひとりに詩を贈ります。○○君には、クラスで初めての誕生日ということで、そのまま、「たんじょうび」という詩を贈ります。まどみちおさんの詩です。まどさんは、「ぞうさん」や「ふしぎなポケット」などの童謡の詩で有名な方です。「ぞうさん」の歌なんか、全ての日本人が知っているのではないかと思われるほど、有名な歌ですよね。まどさんの詩は、短いものが多いのですが、日本語の楽しさ、日本語の美しさ、日本語の豊かさを教えてくれます。
▼ クラスで始めての誕生日、おめでとう。
              たんじょうび       まどみちお
          わすれていたのに またきたよ     たんじょうび たんじょうび
         はなたば かかえて ケーキをもって  おめでとうって やってきた
         わすれていたから なお いいよ    
たんじょうび たんじょうび
         わーいといわせに てをたたかせに  おめでとうって やってきた
    
            『まどみちお全詩集』273頁 理論社 1993年 まどみちお
3.図書館で詩を探す
 自分の家に、詩集がたくさんある人はいいのですが、私のように詩集があまり無い方は、次のことをお勧めします。

 近くの図書館(学校の図書室でよい)に行って、詩集を読みまくる。

 27名いましたので、27の詩を贈ることになります。詩の数が足りないのです。そこで、早めに図書館へ行って、詩を選んでコピーしておくのです。コピーには、「○○さん 6月3日」というように、名前と誕生日を書いておけば安心です。内容を見ていたら時間がかかってしまうので、まずは、題を見て探すほうが早いようです。
 ※友達を大切にする子⇒「ともだち」という詩  ※運動の得意な子⇒「スポーツ」という詩
 ※野球少年団の子⇒「フィーバー少年野球大会」という詩  ※吹奏楽クラブの子⇒「音楽会」「トランペット」という詩
 ※絵を習っている子⇒「パレット洗い」という詩  ※本が好きな子⇒「本屋で」という詩
 ※弟思いの子⇒「弟っていいな」という詩  ※うさぎの好きな子⇒「ねんねのうさぎ」という詩
 このように、「題=子どもの特徴」と結びつく場合はいいのですが、そうならない場合があります。私も選ぶのに時間がかかりました。うまく選べない子は、次のような観点で選ぶとよいでしょう。あとは、無理やりにでもこじつけることです。

 その子の性格上のよい所。(明るい、優しい、積極的など)  
その子の名前やあだ名が入っている詩。(もちろん、読んでいてプラスのことが書いてある場合)
その時期や大きな行事にあっている詩。

※努力する子には「がんばる」、優しい子には「おだやかな秋」、明るい子には、「たんぽぽ」という詩
※その子の名前が入っている「四つのクローバ」という詩  ※卒業式が近づいたら「三月のうた」、「前へ」という詩
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