シラー(Scilla L)
/S.ペルビアナ
ユリ科シラー属、原産地:欧州、アフリカ、アジア
ヒアシンスを小型にしたような姿のS.シビリカやS.カンパヌラタ、こまやかな紫の花が傘形に密生して咲くS.ペルビアナなどがよく知られていて、
春の球根類の脇役をつとめている。これらは欧州産の小球根だが、シラーの仲間は100種もあって、アジア、欧州、アフリカにそれぞれいろいろな
種類があり、日本のツルボ(S.ツンベルギー)もシラーの一員である。
寒地向きの球根草花であって、花も姿もさまざまだが、草丈も低いもので10cm、背の高いものは、30-40cmとなり、開花期は3〜5月。秋咲種もある。
丈夫な球根で耐寒性もあり、地植えで越冬するので寒地向きの球根草花といえる。赤や黄色の草花とのとり合わせを考えて植え付けると楽しいし、
また落葉樹下に自然的な群落を作るのも風情がある。
S.ペルビアナ:他の各種のシラーと違って、ごくこまかな花が数十輪上向きに密生し、咲進むにつれて傘のような姿になる。濃紫色と白色。葉は
ヒアシンスに似ている。丈夫でよく分球し、2,3年放っておくと小球ばかりになり、花も貧弱になるので、葉が枯れたら根上げて球根を整理するのがよい。
飢えを救った日本のシラー 江戸時代天明の大飢饉のころ四国九州を視察した橘南けいによると、この地方ではあらゆる食料が尽きヤマイモ、クズの
球根も掘り尽くし、すみらの球根を探して辛くも命をつないだという。すみらはツルボのことで、日本産の代表的なシラ−である。
(出展:園芸大百科事典 講談社)
シラ−/ペルビアナ 横浜市金沢区 住宅街の緑道の道端 2009/05/04 16:50 Nikon D70 |
シラ−/ペルビアナ 横浜市南区弘明寺町31 2007/4/29 14:18 NEC N902iS |