すみれ(菫)/タチツボスミレ
(Viola mandshurica W.Becker)
学名Viola mandshurica
日当たりのよい山野に普通なスミレ科の多年草。和名は花の形が大工の
使う墨つぼに似ているから「墨入れ」の略という説がある。
スミレ属Violaは世界に約500種分布し、北半球の温帯にその大部分を産
する。しかし、北半球では比較的似た仲間の種数が多いのに反し、南半球
では種数こそ少ないが、分類上きわだった形質をもつ少数種から成る仲間
が多い。この属はほとんどが草本だが、低木、例えばハワイ諸島には幹の直径
約5cm、高さ約2mになる種がある。日本には54種のほか、多くの亜種、変種、
品種などが知られ、また多くの自然雑種が野外で見られるが、日本産のスミレ属
の代表種には、スミレ、タチツボスミレ、エイザンスミレ、スミレサイシン、がある。
(以上 世界大百科事典(平凡社)より)
三浦半島での自生種にはスミレ、タチツボスミレが多いように思われる。
追記:日本経済新聞2008/0401文化欄
「「黒船」のペリー来航時に随行した米国人が横浜でタチツボスミレを発見し、
海外に伝えた事実もある。横浜はこの花が世界で最初に発見された場所「基準
産地」となった。」
スミレ
スミレ 横浜市金沢区 住宅街の道端の僅かな土か ら健気に花を咲かせてます |
2005/03/21 17:08 OLYMPUS |
下はタチツボスミレ
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タチツボスミレ 2012/03/31 10:21 NEC N902i 横浜市円海山に近いハイキングコース山道の際 |
同 2005/03/21 16:04 OLYMPUS C2500L 同 |
すみれは、古より自然を愛する人たちと共にあったのですね。
「春の野に菫つみにと来(こ)し我そ野をなつかしみ一夜寝にける」 山部赤人 万葉集
「山路(やまじ)きてなにやらゆかし菫草(すみれぐさ)」 松尾芭蕉 野ざらし紀行