X-Persei

ペルセウス座X星

 

2019年1月13日のペルセウス座X星 光度は6・5等ぐらい

 ペルセウス座の変光星、X-Persei。日本語ではペルセウス座X星。手元の資料では光度変化は6・0〜6・6等。周期は不規則とあります。スケッチの円は25倍の視野を示し、使用口径は125ミリ。ペルセウス座X星は画面の右下にあります。その左上の明るい星はペルセウス座ζ(ゼータ)星。ζ星はペルセウスの向かって左の足先の星で、プレアデスの近くにある見つけやすい星です。ペルセウス座X星はそこから1度程度離れた場所にあるから、非常に探しやすい変光星です。ただし、周期がないので、変光を観察するのは大変そう。なお、スケッチでは光度の比較のため、周辺の星々も描いています。

 ペルセウス座X星は燃え盛る主星と中性子星からなる連星です。光度6等級。中性子星をお供に持つ連星としては、地球から見て一番明るい星と言われます。お供の中性子星はX線のパルスを発しており、その周期は835秒。これがお供の中性子星の自転速度ですが、既知の中性子星では一番長い自転周期とも言われます。またお供の中性子星は時折、X線バーストも発生させます。X線天文学の発展と共に発見されたので、X線放射線源としての名称も持っており、それは4U 0352+30となります。のちにこれがペルセウス座X星と同一の天体であることが明らかとなりました。

 ちょっと残念ですが、ペルセウス座X星の変光、これ自体は中性子星の存在とは特に関係ありません。連星系X-Perseiの主星はBe星というもので、速い自転速度と強烈な太陽風で、自分の赤道にガスの円盤を作っています。ペルセウス座X星は、この円盤の有様が変化することによって変光します。

 *ちなみに、ペルセウス座X星より明るいカシオペア座γ星。これもBe星で、さらに中性子星を持つ可能性が指摘されています。ただ、カシオペア座γ星が本当に中性子星を持つのかは、現状、ちょっと不確定の様子。

 以下は以上の翌日1月14日のペルセウス座X星

 

 2019年1月14日 23:50のペルセウス座X星。連なった円は25倍の視野を示し、口径は125ミリ。中央の明るい星はζ(ゼータ)星。光度チャートにある6・9等星の星(スケッチ下のルの星)も描きたくて改めてスケッチしたもの。ところが予想外にX星の光度が変わっていて、スケッチすぐ上にあるエの星(光度6・2等)と同じ明るさになっている。見間違いでなければ、はて、これは一体?

 

参考:

[Burnham's Celestial handbooks]

Delgado-Marti et al 2000, Astrophysics, The Orbit of X Per and Its Neutron Star Companion

Lutovinov et al 2012, Mon.Not.R.Astron.Soc, Strong outburst activity of the X-ray pulsar X Persei during 2001-2011

 

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