Q2:なぜ鳥は恐竜になるの?
A:生命の樹を正確に表現すると鳥は恐竜です。鳥を恐竜とみなさないのは正確な表現ではありません。
私達はさまざまな生き物を分類します。例えば、このように。
分類学に基づく恐竜(Dinosauria)と鳥(Aves)の分類
シルエットは左からヒプシロフォドン カウディプテリクス ディノニクス 始祖鳥 ハト
この図は以下のような”関係”を示しています
分類学に基づく分類を”関係”に直したもの。多分、こんな根拠で分けているんでしょう。怖い、怖くないで分けているかもしれない・・・・・・・^^;)
このように考える限りでは鳥は恐竜ではありません。しかし、なぜこの分類がよいのか、この分類がどの程度確からしいのかについてはまったく語ってくれません。
さらに悪いことに、この分類は血縁関係を示してはいないようです。なぜなら彼らの持っている身体の特徴を調べて、それを最節約に直すと以下のような図になるからです。
シルエット:左から ヒプシロフォドン カウディプテリクス ディノニクス 始祖鳥 ハト
数字はそれぞれの枝を束ねる特徴(共有派生形質)を示す
1:腰の骨の大腿骨が関節する場所に穴が開いている かかとの関節が水平 距骨が大きい
2:3本指 側面を向いた肩の関節 距骨の前にある突起が極めて高い
3:後方を向いた恥骨 くぼみのある方形骨 後眼窩骨の上に向いた突起
4:風きり羽 対向する足の親指
以上の図はデーターに基づき、それを最節約に解析した結果得られるものです。生物の特徴が遺伝することから考えて。この図は恐竜の血縁関係(ダーウィンのいう生命の樹)を示していると考えてかまいません。また、この図の確からしさは検証が可能であり、確からしさも確認されています。
ではこの図を正確に表現してグループを作ってみましょう。するとこうなります。
以上を見ても分かるように、生命の樹を正確に表現しようとすると鳥は恐竜に含まれることになるのです。実際、”分類”と”系統”とを並べてくらべてみましょう。
左が分類(Taxonomy)、右が系統(Phylogenetic)、ちなみに、Phylogenetic taxonomy とは系統を正確に表現するために考案された表現方法で、Taxonomy とはついていますが、分類学とは無関係です。混同しやすいので注意が必要ですね^^)
左が分類(Taxonomy)です。例えば、飛べる、飛べない、という基準による分け方は”なぜその特徴に基づいて分けなくてはいけないのか?”について答えられません。
さて、一方で、右の系統(Phylogenetic)の方はどうでしょうか?。系統は確からしさをテストできますし、妥当性は最節約などに基づいています。
そして、もしあなたが系統(生命の樹)を正確に表現しようとすると、鳥は恐竜であるといわなければいけません。例えば兄弟という言葉は普通、同じ両親から生まれた子供どうしのことをさしますね?。これは血縁関係を反映した表現です。
もし、あなたに弟がいたとしたら、あなたは彼のところを”彼は私の兄弟である”というのではありませんか?。それと同じ理由で、鳥は恐竜なのです。