Q:恐竜って何?

 A:系統的には三畳紀に存在した2本足で歩き回る、ある爬虫類から進化したすべての動物たちのことを恐竜と呼びます。イグアノドンもティラノサウルスもスズメもすべてこのグループに入ります。三畳紀の後期、2億3000万年あまり前に出現し、白亜紀後期の6550万年前まで、およそ1億6500万年あまりもの長期に渡って陸上を支配しました。6550万年前の隕石衝突でそのほとんどが滅び去り、現在では鳥しか生き残っていません。不思議なことにペンギンのような海鳥を抜かすと、海に進出したものはいません。

 解説:恐竜は英語ではダイノサウルス(Dinosaurus)と言います。直訳すると恐ろしいトカゲという意味です(あるいは”恐ろしく大きなトカゲ”という意味)。人間が恐竜という生き物のことを知ったのは18世紀のことです。当時は古生物学が発達し始めた頃で、古い時代のことがだんだんと分かり始めたばかりでした。恐竜の発見によって、人類が出現するよりもはるか以前、地上には大きなトカゲのような動物がいたこと、そういう怪物のような生き物が地上を闊歩していた時代があったことが分かったのです。

 暑く湿ったジャングル。巨大な爬虫類。人類や哺乳類がまだ現れていない時代(実際には哺乳類はいましたが)。こういうイメージからスタートしたため、恐竜という言葉には怪獣的なイメージがどうしてもついて回ります。そもそも呼び名自体がそうだと言えます。

 実際には、恐竜はかつて大いに栄えた爬虫類の一派であり、地獄の使者というよりは、ありきたりな野生動物だったと言えます。三畳紀から白亜紀にかけて、地球は爬虫類の時代でした。空を飛ぶ翼竜、海に住んだ首長竜、魚竜、モササウルスなど様々な種族が現れましたが、中でも陸上で繁栄したグループが恐竜です。

 系統的には三畳紀にいた、2本足で走り回る小さな爬虫類から進化したすべての動物達のことを恐竜と呼びます。

 さて、古い時代の地層からは、昔の地球にいた動物や生き物の化石が出ます。私達はこれらの化石を手がかりにして、昔の生物がどのような進化の歴史を歩んできたのか、それを探ることができます。そして研究者たちはトリケラトプスやティラノサウルス、ブラキオサウルスなどがたったひとつのご先祖様から進化してきたことを突き止めました。

 その動物は三畳紀にいた、2本の後ろ足で地上を走り回る小さな肉食動物であったと考えられています。当時の地球には恐竜に良く似た動物が他にもいましたが、腰の関節、大腿骨(太ももの骨)、かかつの関節などの特徴から、恐竜であるかそうでないかが区別できます。

 この小さなご先祖様から様々な恐竜が進化してきました。ティラノサウルスのように12メートルにもなる巨大な肉食性の種類や、2〜3メートル程度だけれども活発なハンターであるディノニクスがうまれました。

 ある種類はイグアノドンのように草や木の葉を食べるようになりました。トリケラトプスのように4本足で歩くようになったものもいれば、ブラキオサウルスやアパトサウルスのように非常に大きくなったものもいました。

 さらに注目すべきことに、肉食性の恐竜の一部から空を飛ぶものが現れました。これが今でも私達の身の回りにいる鳥です。つまり鳥は恐竜なのですね。一般的には恐竜と鳥は区別されていますから、恐竜は白亜紀末期に滅びたことになります。しかし、鳥が恐竜だとすると系統的には滅びていないと言えるでしょう。

 *人間の文化では、鳥はしばしば天や神の使いであると見なされます。一方、恐竜は当初から地獄の使者のような扱いでした。鳥は恐竜であると言うと強い拒否反応を示す人がいますが、それにはこういう文化的な原因があるのかもしれません。しかし、解剖して比較してみると、鳥の骨格はありきたりな恐竜のものだと言えます。

 

 子供向けQ&Aに戻る 

 次ぎの質問に進む