Q:でも鳥は恐竜に見えないのですけど・・・?
A:それは鳥が他の肉食恐竜からその姿をかなり変えてしまったからそう見えるのです。化石を調べれば鳥が肉食恐竜の一種であることは明らかです。
例えば鳥に一番近い恐竜はディノニクスやヴェロキラプトルといった肉食恐竜です(右の写真は国立科学博物館、新館地下1階に展示されているヴェロキラプトル類のものです:国立科学博物館の許可を得て掲載)。
ですが、現代の鳥とディノニクスやヴェロキラプトルをくらべてみてもあまり似ていません。
「あれ?、じゃあやっぱり鳥は恐竜じゃないんじゃないの?。」
そう思う人もいるでしょう(実際、だから鳥は恐竜ではない、そう主張する人もいます)。
ですがそれは進化で生き物の姿が変わることを考えていない勘違いですね。
じつは恐竜時代の原始的な鳥である始祖鳥やコンフィスオルニスはディノニクスと良く似ています。ようするに鳥も最初のうちは他の肉食恐竜とあまり変わっていなかったわけです。鳥は大空を自由に飛び回るように進化していった結果、形や姿がかなり変わってしまいました。だから他の恐竜と違うもののように見えるのです。
しかしもともと鳥は他の肉食恐竜とあまり変わらない動物だったのです。
注:ちなみに・・・。今言ったように始祖鳥はディノニクスと良く似ています。ですから始祖鳥と現代の鳥とはあまり関係ない、そう主張する人もいます。ただしこれはかなり素朴な勘違いですね。例えばここに3種類の動物がいるとします。彼らはそれぞれaaaa,baaa,bdddという特徴を持っています。そして彼らの血縁関係はこのようなものであるとしましょう。
_______aaaa
|_____baaa
|___bddd
ここでaaaaとbaaaに注目してください。共通点が3つあります。ですがbaaaとbdddではどうでしょうか?。共通点は1つだけです。ですからaaaaとbaaaはbdddよりも似ているわけです。そこで似ている同士は血縁が近いに違いないと考えるとこうなります。
_______aaaa
| |__baaa
|
|_____bddd
ですがこれ、間違っていますよね。このように似ているから近い関係なのだっていうのはしばしば間違った答えを導く考え方です。同じように始祖鳥とディノニクスがいくら似ているといっても、実際に血縁が近いことにはなりません。
色々な証拠から考えると始祖鳥はディノニクスよりも現代の鳥に血縁が近いことが分かります。始祖鳥はあきらかに鳥の仲間です。