Omicron2 Eridani

エリダヌス座オミクロン2

あるいは

ケード(Keid)

エリダヌス座40番星(40 Eridani)

白色矮星を従える太陽系近隣の星

2014年12月18日 22:00にスケッチしたエリダヌス座オミクロン2とオミクロン1

画面上の黄色みのかかった明るい星がオミクロン2、固有名はケード(Keid)。画面下の明るい星がオミクロン1、固有名がベード(Beid)。ここで取り上げているのは画面上にあるオミクロン2、ケードの方。

描かれた円は望遠鏡の視野を示しており、倍率は50倍。オミクロン2は黄色い星ですが、望遠鏡で見るとその脇に、非常に暗い星を従えていることが分かります。つまりこれは二重星で、明るい主星の周りを暗い伴星がめぐっています*。肉眼でも見える主星をオミクロンA、暗く付き従う伴星をオミクロンBと呼びます。Aの明るさは光度4.5等、一方、Bの光度は9.7等。星の明るさは、実際に見るよりもやや強調しており、Bは視点をややはずさないとはっきり見ることができませんでした**。観察した場所は神奈川県の中央部なので、周囲の光害で空が明るいせいかもしれません。画面左上の矢印は、スケッチ視野内を星が動く方向、つまり西を示しています。このことから考えると、伴星は主星のほぼ真東にあることが分かります。

*実際にはオミクロン2・エリダニは以下に述べるように三重星です。

**人間の視野は中心よりもやや離れた場所の方が感度が良いので、暗いものを見る場合、視線をややずらした方がよく感じることができます。

伴星オミクロンBは白色矮星であり、核融合反応を終えて自らの重量を支え切れずに崩壊、潰れてしまった天体です。スケッチは口径125mmの望遠鏡で行ないましたが、こういう比較的手頃なサイズの望遠鏡で見ることができる白色矮星は多くありません。オミクロン2・エリダニは白色矮星を手軽に見ることが出来る、数少ない天体のひとつです。

 

Omicron2 Eridani

 オミクロン2・エリダニ

Omicron2 Eridani オミクロン2・エリダニ 固有名はケード(Keid) 光度4.0等*の三重星。エリダヌス座40番星(40 Eridani)としても知られる。固有運動が大きく、太陽に近い恒星であることが分かる。距離は16光年。肉眼で見える星としては第8番目の近さ。

*オミクロン2・エリダニの光度、つまり以下に述べる三重星を合わせた光度は[Guidebook to the Constellations]を参考として、ここでは4.0等としています。

主星オミクロンAは光度4.5等で黄色い星

伴星オミクロンBは光度9.7等の白色矮星。[Burnham's Celestial Handobook ] vol.2 によると、推定される直径は地球のほぼ2倍。1インチあたりの重量は2トン。比較的小さな望遠鏡でも観測できる白色矮星のひとつで、地球近隣にあるもののひとつ。次に述べるオミクロンCと二重星を作っており、このペアがオミクロンAと対になっている。

オミクロンCは光度10.8等の赤色矮星

 

 

参考:

「星の事典」鈴木駿太郎 恒星社

[Guidebook to the Constellations ] Patrick Moore's Practical Astronomy Series 2012

[Burnham's Celestial Handobook] vol.2

 

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