M86 (NGC4406)
M84と並ぶ明るい楕円銀河 メシエ86
2020年1月7日 3:00 M87からM86, M84までの様子
スケッチ上の連なった円は35・5倍の視野を示し、上にあるのがおとめ座銀河団の中心にいる超巨大楕円銀河M87 そこから左下(方位で言うと東)へ視野1つと4分の1移動した場所にあるのがM86 M86はその左隣にほぼ同じ明るさをした楕円銀河M84と並びます。
*ちなみに35・5倍の視野の右端にNGC4473が見えていますが、これはスケッチ下の50倍視野には入っておらず、描かれていません。NGC4473は最初、恒星かと思って描いていました。
スケッチ下の大きな円の連なりは50倍の視野を示し、左からM84, M86, NGC4435とNGC4438, そしてNGC4461(35・5倍視野では見えていません)。
おとめ座としし座の間に広がるおとめ座銀河団。中心にあるのが超巨大楕円銀河M87 このM87に匹敵する明るさで見えているのがM86とM84です。どちらも楕円銀河で右のM86はハッブル分類でE3 ややひしゃげた楕円銀河。左のM84はE1 つまり、ほぼ円形の楕円銀河。口径30センチの望遠鏡の眼視だと、どちらも円形に見えます。銀河の中心部分だけを見ているので扁平度の違いがわからないのかもしれません。M86の方がやや明るく見えますが、M84の方が中心の光が少し目立つ感じで、どっちが明るいのか戸惑います。資料ではどちらも光度10・5。
M86は光が青方偏移していることから、私たちに向かって移動していることが分かっています。このため、M86はおとめ座銀河団から飛び出してきているのだ、という解釈もありました。実際には、M86はおとめ座銀河団の端から端を、振り子のようにいったりきたりしているらしい。今は銀河団の中心を通ってこちらへ向かってきている最中。おとめ座銀河団は今、まとまりつつある若い銀河団らしいので、まだ銀河が右往左往しているというところでしょうか。M86はそんな様子を見せている銀河です。
参考:[Burnham's Celestial Handbook]