Chilopoda

キロポーダ/ムカデ類

アオズムカデ

Scolopendra subspinipes japonica

 足が21対でオオムカデ目、単眼(以下の写真を参考)を持つことからオオムカデ科、身体の側面にある気門(以下の写真を参考)が三角であることからオオムカデ亜科、頭部の後ろが第1背板にかぶさることからオオムカデ属(上の写真を参考)、一番後ろの足にあるトゲの状態からアオズムカデS.s.japonica であると考えました(この特徴は別の写真を見るかルーペでみないと良く分かりません)。

 参考:「日本産土壌動物検索図説」東海大学出版会;「新日本動物図鑑」(中)北隆館

 写真は餌にあたえたバッタにさささっとよって襲いかかるところ。何度か見た経験からするとムカデっていうのはたくさんの脚で相手を抱え込んでカゴのように閉じ込めてかじりつくらしい。家の塀で同じことをコガネムシにしているのを見たことがあります。上の写真のバッタくんの前足がぶれているのは暴れているから。たすけてくれ〜〜〜〜といったところ。ごめんよバッタくん。

マンディプラータのキッス

 でもってバッタにかじりつくアオズムカデ。昆虫と多足類、甲殻類はものをかじる顎を持つことからマンディブラータ、すなわち大顎類(あるいは有顎類)と呼ばれます。アオズムカデの毒牙はバッタの口の付近に打ち込まれていて、これはさながらマンディブラータのキッス。まあムカデの毒牙というのは顎よりも後ろにある脚、第1歩脚の変型したものなので、これをキッスと呼んでいいのかどうかという話もありますが印象深い光景には違いありません。

 多足類と昆虫は1対の触角を持っているので極めて近い系統ではないか?、と考えられることもあります。いわゆる有角類ですね。たしかによく似ています。ただムカデの触角は節ごとに曲がるので、ニュル〜〜〜ン、ニュル〜〜〜ン、ピクピクピク〜〜〜と自在に動きます。触角というよりはむしろ触手。

 触角の根元、少しうえに単眼があることに注目。また、足の上、胴体の側面にあるゴマのような形をした赤っぽいものは気門です。ようするにムカデくんの呼吸器官の入り口。

 Chilopoda:キロポーダ:ムカデ類/唇脚類とは?

 身体の節は16〜200。一部の節をのぞいて1対の脚を持ち、口には大顎と1、2小顎がありますが、さらに第1番目の胴体の脚が変型した毒顎を持ちます。身体は比較的扁平。脚の最後の1対は歩行に用いられない尻尾のような感じのものになっています。考えてみればムカデもゲジゲジもそういう脚をもっていますね。尻尾のようにひきずって動いています。

 ヤスデと違って身体はやわらかいですね。アオズムカデ、ゲジゲジなどがいます

  

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