Odonata オドナータ/トンボ目 蜻蛉目(せいれいもく) オオシオカラトンボ(雌) Orthetrum triangular melania 不均翅亜目 トンボ科 前後の翅の形態が違うこと(後ろの翅の後ろ内側がはり出す)、Triangle(トライアングル:三角室)があることから不均翅亜目。複眼の密着、前翅のトライアングルが縦長/後翅のトライアングルが横長からヤマトンボ科+エゾトンボ科+トンボ科。アルクルス(Arculus:弧脈)がトライアングルの内辺と同一位置、からエゾトンボ科かトンボ科。地色は黄色。翅の基部に黒色部、胸側に2黒条、腹の5・6節まで黄色で黒条。その先は黒。といったことからトンボ科のオオシオカラトンボの雌であろうと。撮影は1999.07.24 。
オオシオカラトンボ(雄) 翅の基部に黒色の部分があり、全身が蒼灰色であること、さらに後翅の黒色部分にある翅脈まで蒼灰色になることからオオシオカラトンボの成熟した雄であろうと考えました。まあ図鑑を見れば一目瞭然。上の雌とくらべれば分かりますが、オオシオカラトンボは雄と雌でまるで模様と色が違います。
オオシオカラトンボ(おそらく未成熟の雄) 1999.07.27 に撮影したトンボ。頭部全体が黒く、全身もだいたい黒。黄色の部分がある一方で、腹部の一部がブルーという非常にきれいでとても印象的。なんだろう?とずっと思っていたのですが、改めて調べたらどうもオオシオカラトンボの未成熟の雄らしい。「原色日本昆虫生態図鑑 II トンボ編」保育社 1976 Plate41 の写真と模様や色、全体の形がよく一致します。
オドナータ/トンボ目とは?:
トンボは有翅昆虫のなかでは原始的な系統で翅に脈がおおく、その様子は複雑です。またもっと派生的な昆虫と違って翅を身体にそってたたむことはできません(胸がななめ後ろにのびるので一見すると身体にそってたたまれるように見えるかもしれない・・・)。しかし原始的な特徴を持っている一方で飛行に非常に適応していて、飛行しながら昆虫を捕まえて食べます。グライダーのように滑空したり、風があれば滑空したまま空中で停止したり非常に器用に飛び回ります。逆に地上で活動することはほとんど不可能です。
幼虫はヤゴで基本的に水中生活者。不完全変態でさなぎにはなりません。
オドナータの分類(系統は現在工事中):
Zygoptera(ジゴプテラ:均翅亜目)
Agrionidae(アグロニダ:イトトンボ科)
|_____モートンイトトンボ
Platycnemididae(プラティクネミディダ:モノサシトンボ科)
Lestidae(レスティダエ:アオイトトンボ科)
Megapodagrionidae(メガポダグリオニダ:ヤマイトトンボ科/トゲオトンボ科)
Epallaginidae(エパラギニダ:ハナダカトンボ科)
Euphaeidae(エウファエイダ:ミナミカワトンボ科)
Calopterygidae(カロプテリギダ:カワトンボ科)
Anisozygoptera(アニソジゴプテラ:ムカシトンボ亜目)
Epiophlebiidae(エピオフレビダ:ムカシトンボ科)
Anisoptera(アニソプテラ:不均翅亜目)
Petaluridae(ペタルリダ:ムカシヤンマ科)
Gomphidae(ゴンフィダ:サナエトンボ科)
Aeschnidae(アスキニダ:ヤンマ科)
Cordulegasteridae(コルデュレガステリダ:オニヤンマ科)
Corduliidae(コルデュリダ:エゾトンボ科)
Macromiidae(マクロミダ:ヤマトンボ科)
Libellulidae(リベルリダ:トンボ科)
|_____オオシオカラトンボ
参考:
「原色昆虫大図鑑 第3巻」北隆館
「原色日本昆虫生態図鑑」II トンボ編 石田昇三 保育社 1976