アシダカグモ科

Heterododa

アシダカグモ

Heterododa venatoria

 撮影は2005年の晩秋。何日も玄関の上の壁に貼り付いていたので、これを捕まえて撮影したもの。アシダカグモは関東以南に分布する大形のクモで、私たちの身近で見られるクモのなかではおそらく最大のものです。この個体は脚を広げるとだいたい10センチぐらい。屋内にすむクモでゴキブリなどを捕まえて食べています。だからよく益虫であると言われていて、見かけても叩き潰すのではなく保護すべき動物であるといわれます。

 とはいえ、まあなんと申しますか、ゴキブリをとるのか?、それともこのでっかいクモをとるのか?。どちらと共存するのかは人によって究極の選択でしょう。

 捕まえてプラケースの中にいれて数日。ちょうど家のなかにゴキブリが出たので、それを餌として与えたところ、クモくんはさささっと走りよってガブリ。最初はばたばた大暴れしていたゴキブリくんは急に静かになってぐったり。ゴキブリには彼らの毒はかなり迅速、かつ効果的に効くらしい。上の写真はピクピクするゴキブリくんを糸でぐるぐる巻きにする姿です。白いのはプラケースの底にしいた画用紙。

 

 こちらは後ろから見た様子。お尻から糸をだしているのがよく見えますね。この後、ゴキブリくんはふたたび噛み付かれて、アシダカグモくんのお食事とあいなりました。クモは体外消化した獲物の肉をすするといいますが、それに加えて鋏角でがりがりと噛み付くような動作をします。数時間後、アシダカグモくんがぽいっと捨てた時、ゴキブリはすっかり縮んで、くしゃくしゃにまるまった黒いゴミ屑になりはてておりました。

 

 こちらはお腹から見たところ。まるっこい腹部の前の方、中央にあるのは生殖器官ですね。この子は女の子です。生殖器官の左右にある溝は産卵孔や書肺の気門。お腹の後ろにあるのは糸疣。そして気管気門の割れ目のはずですが、もう少しよく観察しないと分かりずらいところがあります。

 そこのところはおいおい補完。

 ちなみにこのクモはその後、室内に逃がしたんですが、2006年3月25日、掃除の最中にふたたび見つけたので2006年3月29日現在、再び飼育観察中です。

 

アラネアへ戻る→