アノマロカリスは5億3000万年あまり前の海で生活していた補食動物です。当時としてはかなり大きな身体をしていて、体長は60cm、あるいはそれ以上ありました。身体の側面にヒレ状の突起があり、それぞれのヒレにはエラとおぼしき構造がついています。また、近縁の動物などから考えると脚を持っていたようですが、これには議論の余地があります。

 イラストでは硬い殻に覆われているように描かれていますが、アノマロカリスがここまで硬質な感じがするかというと正直怪しいです。バージェスにせよ、チェンジャンにせよ、アノマロカリスと同じ地層、岩石から出る三葉虫の化石はその姿がはっきりと分かります。ですがアノマロカリスの化石はあまりよく残っていません。ようするに身体は三葉虫のように硬くはなかったってことです。体節も残っていないような保存からすると、カギムシのように柔らかい身体にクチクラの膜が薄くついているだけだったかもしれません。

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