コモチシダ

Woodwardia orientalis

 

撮影:2012/12/11 神奈川県

 かなり大きくなるシダで葉っぱの長さは数十センチになります。森の中ではなく、崖や道路を切り開いて出来た斜面などで見かける種類で、これも赤土の崖から生えているものを撮影しました。コモチシダという名前の由来は、葉っぱに小さな丸っこい芽(無性芽)をつけることが由来です。*注:この株は無性芽をつけてはいません。

*無性芽(Gemma)とは、親の体から芽吹いて、ぽろっとはずれると、そのまま別個体になりうる芽とか組織のことです。いわば親のクローン。配偶子を介さないでそのまま増殖するので、性を介さない増殖方式です。それゆえに”無性芽”。

 

 コモチシダは葉っぱの縁が裏側に少しまるまっています。そのせいか表側から見ると、妙に肉質で、厚みがあるように見えますが、実際にはぺらぺら。

以上と同一個体 

撮影:2012/12/12

 厚ぼったく見える感じと深い色合いのせいかでしょうか、霜に組織をやられて、しおれたようにも見えます。しかし実際にはこれが普通の姿で常緑性。冬でも青々としている植物です。

 撮影:2012/12/11

 葉っぱの裏側を見ると、中央の脈の左右を平行するように脈が、さらにその外側で編み目のようになっているのが分かります。

 また、葉を支える柄についている鱗片は、付け根で、わさーっと密生しています。しかも妙に長い。コモチシダはかなり特徴的で、分かりやすいシダだと言えるでしょう。

同一個体 

撮影:2012/12/12

 

   

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