Prunus lannesiana

オオシマザクラ

 
 2010.04.19 に新宿某所で花を咲かせていたサクラをスケッチしたもの。葉っぱと花がほぼ同時に開くこと、花を支える柄が妙に長いこと、花の柄や萼に毛がまったく生えていないことなどから、ソメイヨシノではないことが分かります。およそ以下の特徴を持つことからすると

:葉っぱと花が同時に開く

:花を支える柄が長い

:花の柄のみならず萼に至るまで毛がない

:萼をよく見るとギザギザがある(鋸歯がある)

どうもこれはオオシマザクラである様子。雑種由来であるソメイヨシノの親種にあたるサクラですね。本来は伊豆七島にのみ生える樹だそうですが、もろもろの理由であちこちに植えられ、園芸品種も作られています。ともあれ、ここではざっくばらんにオオシマザクラであるとしました。

 花は開花したばかりの時は白いのですが、時間が経つにつれて赤みが増す様子。とはいえ、もともとよりピンクがかっているソメイヨシノよりは白が強いように見えます。ソメイヨシノの脇に生えていると、新緑の緑と共にその白さが際立ちます。雄しべも萼も時間が経つと赤くなるようですが、ソメイヨシノほどではないようです。また、ソメイヨシノに比べると雌しべが長く、萼も長く、代わりに花筒が短い様子。萼にはギザギザがありますが、ほとんど無いものもあります。葉っぱの付け根にある蜜腺は2つですが、1つだけの葉っぱもあったり、左の方が葉っぱに近かったり、反対に右の蜜腺の方が葉っぱに近いものもあったりと、見た限りでは変異があるようです。

  

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