Magnolia praecocissima

M. borealis

M. kobus

コブシ

  

 身近なマグノリッドクレードのひとつであるコブシです。スケッチしたのは2010年3月23〜26日。早春に10センチ程度の白い花を咲かせる樹木ですが、樹高はシラカシなどのようには高くなりません。また、落葉樹であり葉っぱよりも先に花を咲かせます。似た種類が幾つかありますが、落葉樹であること、春先に葉っぱよりも先に花を咲かせること、花には3枚の萼があること、萼は花弁よりもずっと小さいこと、通常、花が咲いた時、その下に1枚の若葉を持つことなど、以上の特徴を組み合わせ持つことで区別が可能である様子(参考「原色日本植物図鑑 草本編[ii]」保育社)。

 3枚の萼は小さく、細く、やや緑色がかっていますが花弁とほとんど似た色をしています。花弁は6枚ですが、下から見た場合、3枚一組で互い違いになるようについているのが分かりますね。それぞれ下の花弁と上の花弁とでも言えばいいのでしょうか? 萼と下の花弁、上の花弁はどうも螺旋状に配置されている模様。

 雄しべは葯と花糸の区別がよくつかないというか、花粉を持っている葯の部分が花糸の両脇についている状態で、全体的には細長いへらのような形。これが多数、螺旋状に生えています。雌しべも同様で、多数の雌しべが螺旋状に配置されています。

 萼、花弁、そして多数の雄しべ、雌しべが螺旋状に配置される構造はいかにも原始的であることを思わせますが、詳細は調査中。

 花粉の形は少なくとも顕微鏡で見た印象ではコーヒー豆のような感じ。(たぶん)片面に一本の溝が入っています。

 

 備考:

 コブシの学名の表記は「原色日本植物図鑑」ではMagnolia borealis  神奈川県植物史2001ではMagnolia. praecocissima となっています。ネットで見る限りではMagnolia kobus が普及しているようですが、さてさて。

 

 

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