Viola属

スミレ属

その2

スミレ

Viola mandshurica

 北村の住んでいる家の近所で見つたスミレで、家と道路の境界線、コンクリートのわずかなすきまから生えていました。そうなのですよ、スミレは頑強で、じつはそのへんでも咲いている花なのですね^^)。

 スミレと似た場所に生える種類にヒメスミレがいます(ヒメスミレについては以下↓へスクロール)。スミレとヒメスミレは大きさや葉っぱの形から区別できます。とはいえ、最初のうちはちょっと見ただけではなかなか区別できません。

 上の写真の株では、葉っぱの根元が柄のところで切れるのではなく、柄にそってわずかに沿っていきます。左の写真を見れば分かりますが、葉っぱの柄を縁取るように葉がのびていますね。これがいわゆる“翼”って呼ばれる部分です。この翼と呼ばれる部分はヒメスミレではありません(あるいは発達が悪い)。そういうことから多分、この株はV.mandshurica 、すなわちスミレであろうと考えました。

 花の色は濃い紫でとてもきれいです。

 スミレはちっちゃいからあまり気がつきませんが、関東の人なら4月の初旬ごろ注意して家の周りを見て下さい。案外とスミレが紫色の花を咲かせています。2004年、暖冬だったこの年、神奈川県に住む北村の周囲でスミレの花が咲き始めたのは4月の第一週からでした。

 4月の中ごろにはこの株は花を終わらせていましたが、近所では少し遅く咲き始めたスミレが4月24日現在でも花を咲かせています。

 

 

さて、次ぎは上の V.mandshurica に良く似た同属別種 V.confusa です。こちらの株は上のスミレから数百メートル離れた場所、壁とコンクリートの歩道のわずかなすきまからはえていました。

ヒメスミレ

V confusa

 このおそらくはヒメスミレと思われる株は、上のスミレの株よりもひとまわり小さいです。しかし、全体的にはとても良く似ています。スミレとヒメスミレを区別する特徴は葉っぱの形です。ヒメスミレの葉はスミレとは少し違っていて、翼がありません。

 左の写真はまるまっていた葉を開いたところ。ピンクの矢印で示したところを見ればわかるように、葉の柄にスミレのような“翼”がありませんね。切れ込みというか湾入もスミレより強いです。

 とはいえ、スミレもヒメスミレも葉の縁がまるまっていることが多いので、指で広げないとこの違いはよく分かりません。それにスミレの葉っぱは花が咲き始めた時にはまだ翼の発達が悪いように思えます。

 さて、ダーウィンの進化論に反対する人には種ははっきり区別できる。進化で種が少しづつかわるという理屈はおかしい!!って言う人が多いように見えます。でもヒメスミレとスミレを見ていると種というものがはっきり区別できるものとはとても思えません。しかもこの二種類はスミレの仲間のなかでは比較的区別しやすい方みたいなんですよね。

  

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