Teleostomi テレオストミ
あるいはオステイクティス(Osteichthyes):硬骨魚類、あるいは硬骨動物 硬骨魚類(テレオストミ、あるいはオステイクティス)とは?:
伝統的には魚の中で、軟骨魚類でない魚、ようするにギンザメ、エイ、サメを除いた魚を指し示す言葉でした。しかし、系統学の発展にともなって、現在では、私たち陸上脊椎動物もここに含まれます。これは陸上脊椎動物は硬骨魚類から進化したこと、分類は系統を反映するべきであるという考えに基づいた結果です。これを踏まえて、硬骨動物という呼び名もあります。また、すでに絶滅してしまった棘魚類もここに含まれます。
硬骨魚の特徴:
:軟骨だけでなく、硬い骨を持つ
:鰓蓋はひとつで、骨質の板で覆われる
硬骨魚類の系統:
根_________Acanthodii アカンソディ・棘鰭類
|
|______Sarcopterygii:サルコプテリギー:総鰭類・そうきるい
| シーラカンス・ハイギョ・陸上脊椎動物など
|
|____Actinopterygii:アクチノプテリギー:条鰭類・じょうきるい
ガーパイク・アミア・イワシ・コイ・キンメダイ・ハゼなど
テレオストミとオステイクティス
以上の系統樹をくわしく描くと次ぎのようになります。伝統的にオステイクティスというのは以下の系統樹の緑で示された部分でした。
__________________Acanthodii
|_____________シーラカンス
| |______ハイギョ
| |___陸上脊椎動物(およびその他)
|_____________ガーパイク
|______イワシ
|___ハゼ
しかし、このままだと陸上脊椎動物を含まないため、系統を反映しない分類になってしまいます。そこで、ひとつの方法として以下のようにオステイクティスを拡張して、オステイクティスに陸上脊椎動物を含める解決策があります(例えば日経サイエンス 1999 01 pp38~45 「知られざる海の古代動物の危機 」F.H マーティニを参考のこと)。
__________________Acanthodii
|_____________シーラカンス
| |______ハイギョ
| |___陸上脊椎動物(およびその他)
|_____________ガーパイク
|______イワシ
|___ハゼ
もうひとつは、古典的なオステイクティス(硬骨魚類)と陸上脊椎動物を合わせた分類群にテレオストミ:Teleostomi という名称をあらためてつけなおす、というやり方です。Nelson 94 [Fishes of the World 3ed]
__________________Acanthodii
|_____________シーラカンス
| |______ハイギョ
| |___陸上脊椎動物(およびその他)
|_____________ガーパイク
|______イワシ
|___ハゼ
ようするに解説策には拡張と、新しい名称の提案があるわけです。さて、どっちを選ぶべきか?。このHPでは魚の系統と分類群に関してはおおむねNelson 94 に従っているのでこのコンテンツの名称はテレオストミということにしておきました。とはいえ、オステイクティスという伝統ある分類群名もまた併記しておきます。