オニオコゼ
Inimicus japonicus
背ビレの棘が鋭く、猛毒を持つことで扱いに注意が必要な魚です。2013年2月24日にスーパーで購入。腹ビレは一応、1棘5軟条のようですが、ぶよんとした皮に覆われていて、棘と軟条の区別が今ひとつはっきりしません。ただ、触ったり、光に透かすと最初が棘、そこから後ろの5本は先端が分岐していることが分かります。背ビレは固い棘が17本並び、後ろの部分が軟条で一続き。頬を触ると固い骨があり、棘があることも分かりますが、ここから、ああ、この魚はカサゴ目なのだな、と見当がつくでしょう。
腹ビレの基底は前後に長いですが、検索表で見るとこの時点でオニオコゼ科(Synamceiidae)であることが分かります。さらに胸ビレの下に2本の遊離した軟条があること、背ビレの膜が深く切れ込まないことからオニオコゼ(Inimicus japonicus)であると考えました。
ただ、最初に述べたように、オニオコゼだと背ビレは猛毒なのですが、この魚は背ビレがそのままで販売されていました(普通、背ビレは切って販売するものです。輸入された同属別種とかそういう可能性があるのかどうかは不明)。お腹が妙に膨れていますが、調理した時に調べたところ、イカナゴと思われる魚が6尾ほど入っていました。鱗はないようで、全身がぶよんとした皮に覆われています。この皮は非常に切れにくく、煮ると縮んでぷるんぷるん。コラーゲンがぷりぷりという感じでなかなか歯ごたえがあり、肉は白身で普通においしい魚です。スケッチした個体の全長は245ミリ。