ミノカサゴ

Pterois lunulata

 

 ミノカサゴは鰭の棘に毒を持つ魚です。背ビレには13本の棘があり、腹ビレには1本、臀ビレには3本の棘があります。赤みを帯びた体に黒い縞模様が入るその姿は美しく、目立っており、いわゆる警告色として機能します(*警告色:自分が危険であることを捕食者にアピールする色や模様のこと)。

 胸ビレは大きく、長く、体に沿ってたたむと臀ビレの後ろや尾ビレの付け根あたりにまで届く程。また、胸ビレを支える鰭条は分岐しません。*多くの魚では鰭を支える軟条は先端が枝分かれします。このスケッチでも腹ビレ、臀ビレ、尾ビレなどの軟条は分岐していることが分かるでしょう。ミノカサゴというと、水族館などで細い端竿のようなヒレを何本も展開した姿が印象的ですが、これは以上のような胸ビレの特徴を反映しています。

 鰭の棘に毒があるものの、肉は白身で普通においしい魚です。ただ意外に小さく、体長は20センチ程度。以上の個体は体長19.5センチでした。また、煮ても骨からきれいに肉がとれない傾向があるように思えます。なにかゼラチンのようなコラーゲン質のような、そういうぷるぷるした組織で肉がくっついている感じ。

 

 

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