アオハタ
Epinephelus awoara
マハタ属(Epinephelus)には色、形、模様、微妙な特徴で識別できる様々な種類がいます。この魚は背ビレの棘が11本、臀ビレの棘が3本、軟条が8本であり、尾ビレの後の縁が丸みを帯びている、という特徴を持ちます。また、体に黄色の斑点を持つこと、頭より後ろに5本の縞模様を持つこと、縞模様の内、前の4本は2本ずつ対をなすことなどからアオハタであると判断できます。お腹が黄色いことも特徴。
「魚類検索 第2版」と「魚類の形態と検索」松原喜代松 石崎書店 1963 を参考にしました。
肉は白身で、熱を通しても崩れることなく、おいしいものです。体に比べて内臓の部分はあまり大きくなく、食べる場所が多い魚だとも言えます。ただ、鱗は小さく丈夫なので、鱗をそぐことは忘れずに。
ところで、奇妙なことにアオハタは名前と違ってちっとも青くありません。魚介類の和名の由来をまとめた「図説 魚と貝の大事典」を見ると、”体色が青みがかったハタの意”とありますが、やっぱり青くありません。実際、解説文にも”体色は黄褐色”と書いてあります。鮮魚として販売されている時は淡い、優しい色合いですが、ネットで画像検索すると生きている時はもっと縞模様が濃いようです。ただ、それはやはり青ではなく、黒に見えます。そして地色は黄褐色。生きている時は尾ビレが緑色っぽいので、”あお”とはこのことかもしれません。しかし詳細は不明。