魔法遣いの臨終(上) むかしむかし、ある所に有名な魔法使いが住んでいた。 『住んでいた』と過去形で表現すると、まるで今は彼岸の人になって大人しく土に還ったかのようであるが、そうではない。 むかしむかしも住んでいたし、今も住んでいる。 彼が魔法使いという余り一般的でない職業に就いてかれこれ597年が経過している事を思えば、随分と非常識な話だと言えるだろう。 老後の趣味を全身の美容整形とした魔法使いは多種多様な禁呪・秘技秘薬を自らの身体に施し、その結果もともと整った容貌の持ち主だった彼は今現在、乳幼児が見たらヒキツケを起こしかねない派手な美青年と化していた。 その美貌と比類なき才能を誇って彼は『暁の魔法使い』を自称していたが、人々はシンプルに『西の悪い魔法使い』と呼んでいた。 魔法使いはその容赦ない通り名に甚く気分を害したが、しかしいくら人々がお人好しだといっても彼を『良い魔法使い』と呼ぶのには無理がありすぎた。(彼がいい歳をして短慮で、喧嘩だ術の失敗だといっては堤防や城や畑や民家を壊すのを誰もが知っていたので)唯一の救いは『悪い魔法使い』に悪気がなかった事くらいであろうか。 壊れた建物は次の日の夜には修復されていたし、堤を壊された国はその秋は必ず大豊作だった。それはそれは律儀に、必ず。そのせいか人々は魔法使いをどうこうしようとはせず、ただ彼を天災の如くおおらかに受け入れていた。 そんな風に魔法使いは他人に迷惑を掛けながらも、普通人の8世代も9世代も変わらず生きてきたので人々は『西の悪い魔法使い』は空の様に山の様に、あるいは古ダヌキや猫又等の魑魅魍魎の類の様に世の終焉まで在り続けるものだと思っていたのだが案外そうではなかったらしい。 ある日、『西の悪い魔法使い』が臨終の床にあるという噂がひろまる。 原因は好物の鮭の天ぷらに当たったという説が有力だった。 何百年も奔放に生きた彼の死を嘆き悲しむ奇特な人間はさすがにいなかったが、人々の心境は安堵半分哀惜半分といった複雑なもので、街で城で街道で『あのピョートルがねぇ……』と溜息混じりに遠い目をする者が少なくなかった。 そう。臨終を迎える魔法使いの、名をピョートルという。 「葬式についてのリクエストはなんぞあるかな?ピョートル」 魔法使いの豪華な寝台(嫌になるくらい執念深い装飾を施された、寝相の悪い大男が十人でも寝られそうな代物)の周囲には身分卑しからぬ老人が数人、くつろいだ様子で腰掛けていた。 彼等は『西の悪い魔法使い』ピョートルの何百年来の友人で、魔法使い本人からの臨終の知らせを受け駆付けたものである。 老人達が身に付けているものは市場に出回らぬ高級品ばかり。柔和な顔立ちながらも言葉や身振りに威厳がうかがえ、どことは無しに人を従わせる何かがあった。それもその筈彼等は揃いも揃って某国の某国王、某宗派の大司教、某皇太后、某将軍、某大芸術家、某皇帝と、ただびとではない者ばかりだったのだ。 今回友人の危篤に際して全員が忙しい身にも拘らず、やれリューマチが痛風が尿道結石がと仮病を使い『あともう五枚書類にハンコを』と泣いて取りすがる大臣を無情にも蹴り倒し、仕事を放置して来たので敢えて名は記さない。 「儂の葬式か。ふむ……世の中には四肢をぶつ切りにして犬に食わせ鳥に食わせと遺言する豪気な人もいるそうだが、それはちょっとな」 老人達に囲まれて魔法使いは純白の絹の寝具に横たわっていた。年齢を考えれば冗談に近い容貌をしている。 同い年の周囲の老人達も財力にものを言わせて延齢魔法を受けているのだが(確かに500才600才とは思えないが)目尻の皺や節々の弛みは隠しようもない。しかしピョートルはどう上に見積もっても20代の半ば以上には見えなかった。 その膚も髪も瞳も真珠の如き白。 全身はどの時代のどの名画も彫刻も及ばぬ絶妙の造形をしていた。 見事に統一された彼の白は周囲の色を反射して淡く輝き、今は点された明りを弾いて蜂蜜色に揺らめいている。彼の主張する『暁の魔法使い』という御大層な名称もさして不遜なものではない様だった。 「そりゃあお前、勿体無いぞ。なにせ随分とその身体を創るのには苦労しとったからな。ほら、眼の色。真珠の白を表現するのに片目に20年もかかったというとっただろう。畜生に喰わせるなどとんでもない!」 「じゃあどうしろと言うんだ?」 「そうさねぇ……それだけ美しいんだから美術館にでも飾られてはどうじゃ。子供達が毎日写生に来るぞ」 「子供じゃない人も来るかもしれませんわ。夢のように奇麗ですもの」 彼は中途半端が嫌いだったので、己の身体で美を究めると決意してから此の方気の遠くなるような手間と暇を掛けてその趣味に没頭した。周囲がもう十分奇麗だからそこらで止めておけと忠告しても耳を貸さず数百年が経つ。 「お前の死体なら数億でも出すと、この国の皇帝に取引を持ちかけられたぞ」 「ああ。性別を問わぬから第二夫人になれとピョートルに迫って城を壊された変態皇帝か。あいつも懲りん奴じゃ」 「あの下衆皇帝にピョートル様の亡骸を渡すですって?とんでもないですわ」 小柄な老女が眉をひそめた。夫の死後130年の永きにわたり外交内政に尽力して王朝を守った有名な某国皇太后である。彼女の名は本国では良妻賢母の代名詞にまでなっている。 「おいおい姫さんや、あんたの国とここの帝国は仲良しの同盟国じゃろう」 「同盟国でもなんでも嫌なものは嫌」 「また姫様のワガママが始まったぞ」 「この歳になって少々好きな事が言えなくてなんの人生でしょう。親も看取り夫も看取り、お仕事もしました。ちゃんと後継者も育てましたわ。初恋の方にときめくくらいは構わないんじゃありませんこと?」 「初恋の方の死体にときめいてどうするか」 老人達からブーイングの嵐が巻き起こる。皇太后は魔法使いを見据えた。 「ピョートル様、わたくし間違っていますか?」 「いや……儂の口からは何とも……」 「わたくし死んだ夫を今でも愛しておりますが、貴方への想いはなんら変わるところはありませんのよ。ですから特に御希望がおありでなければ、あなたの身体をわたくしにくださいませんか?ピョートル様」 老女がピョートルの純白の長い髪を一房すくって口付けた。『女は幾つになってもおねだり上手じゃ』と誰かが呟く。 「そうだな、姫には世話になったし」 いささか鈍いテンポで過去を思い出しているらしいピョートルが首を傾ける。 「ちょっと待てぃ!」 立ち上がったのは白の顎髭の似合う老人。『ええぞ、将軍!何とか言うてやれ―』と周囲は拍手喝采することしきりだが、 「わしにも権利はあるぞ!」 と老人が堂々と言い放った瞬間『正気か―?将軍!』という野次がそれに取って代わった。 「将軍……儂に男色の趣味はないと何回言えば分かるんだ」 「こんなジジィババァになって男色も女色もたいした違いあるかい!死体で手を打つと言うとるんじゃ!ケチケチするな」 「……儂の死体を何に使うんだ」 「青春の日々を思い出すよすがに、な」 「そういえば将軍にも散々迷惑を掛けたような気がする」 「じゃろう!」 「お待ちなさい!そのような倒錯、天が許してもわたくしが許しませんわ!」 「む、姫か」 横たわる魔法使いを挟んで某国将軍と某国皇太后が睨みあった。ピョートルは困った様に二人を見比べている。 「館の表へ出なさい。将軍。話をつけようじゃぁありませんか」 「望むところじゃ」 「よしなされ姫!将軍は老いたりとはいえ剣聖。あんたの細腕で打ち掛っても勝てやせんて!」 「ほほほ心配は御無用、皆様方。こんな事もあろうかと裏の茂みに騎兵を千ひそませていますのよ」 「甘いな!姫。こちらは銃兵五百じゃ!」 「たかがジジイの死体如きで戦争を起こす気かあんたらは!」 周囲のツッコミも無視して病人の枕元で今にもつかみ合いを始めんばかりの二人。その間でピョートルは無抵抗に揺られている。 その時、寝室の入り口でけたたましい音がした。 「やめて下さい!ピョートル様は御病気なんですよ!」 そこに立っているのは金の髪、緑の眼をした少年だった。先刻の大きな音はその少年が人数分の茶器を落としたせいらしく、床には陶器の残骸が散らばっている。 「どうしたピーター?そんな大きな声を出して」 魔法使いにピーターと呼ばれた痩せっぽちの少年は老人達を見据えた。 「この方達はあんまりです!親友という事だから特別にお通ししたのに、重い病のピョートル様の枕元で騒いだり、喧嘩を始めたり!」 老人達は複雑な表情であさっての方を向いている。 「ああ、ピーターは慣れていないのでびっくりしたんだな」 魔法使いは少年を手招き、少年はおとなしく従った。 「いいか、ピーター。この人達はすこし常識外れな所もあるが……」 少年は涙をこらえているのか潤んだ目で、ひたとピョートルを見つめている。 「根はお調子者の変人達だ」 『お前に言われたら終わりじゃ』と大司教が嘆いた。 「ピーター。儂がいなくなって何か困った事があったらこの人達を頼りなさい。きっと悪いようにはしないだろう」 ピーターが唇を噛み締めて二三度瞬きをすると、みるみる涙が溢れて柔らかい頬の上をころがってゆく。 「ピョートル様……死なないで……下さい……お願いです」 「いくら儂でもこればかりはな。御前の事は心配だが」 しゃくり上げる嗚咽はやがて泣き声に変わって、少年は言葉を続けられない。 「悪趣味じゃぞ、ピョートル」 某有名画家がやんわりとたしなめた。 「構わんだろう。儂は今まで見送る方専門で、一度でいいから今際に号泣されてみたかったんだ」 ピーターの頭を撫でながら、満足そうに魔法使いはうなずいた。 これまでの間ピョートルは何人かの弟子を持っていた事がある。何故か全員小柄で気が強くて、口も早ければ手も早い少年少女ばかりだったのだが、それは魔法使いの好みに因る所だろう。弟子と同居している間はこの徒に広大な館もそれなりに賑やかで、たまの休みに訪れてみるとケンカ中の二人が投げあっているコップや椅子や図鑑などが窓を破って飛んで行くのが玄関からでも眺められた。 真っ赤に泣き腫らした眼で紅茶などを出してくれる彼の弟子が可哀想になって『しばらくうちの国に遊びにこんかね?』と申し出ると、それでも『あのひと一人では食事の支度ができませんから』と首を振る子供が多かった。勿論そんな時はピョートルが友人達に『小さい子相手になにやっとるかこのスカタン!』と散々叱れたのであるが。 しかし、気っぷのいい弟子達はいさぎよく延齢魔法を断わり、あるがままの寿命で生きることを選んだ。六十で死ぬ者、五十で死ぬ者。無添加の人間にしては長生きだがピョートルにとっては短い時間である。 昔は短気で短気で、態度が気に入らないといっては嵐を呼び、目付きが嫌だといっては相手をヒキガエルに変え、人生を好きなだけブイブイいわせていたピョートルも多少は性格が丸くなったと噂されたのはその時期だった。 一人死に二人死に、何人かの弟子を老衰で失った後ピョートルは憮然として『もう弟子は取らない』と周囲に当たり散らした。当たられる方はたまったものではないが、その時は誰もが黙ってピョートルの我侭に辛抱していた。 「まあこんな年寄り共でも友達は友達だ」 しばらく物思いに耽っていたピョートルが顔を上げてそう言うと、少年は疑わしそうに老人達を見やった。 「御前が呼んだから来てやったんじゃぞ、ピョートル。クソ忙しい中こんな僻地まで」 偏屈で知られた某国の学者が毒づくいて、それに小さく身を竦ませた少年は魔法使いにしがみつく。 ピョートルは長い指で子供の肩を包んだ。 「年寄り共がふざけたり、突っ掛かってきたりするのは悲しむ心を偽ってのことだ。幼い御前には分からないだろうが、年寄りは照れ屋でな」 「本当にそうでしょうか?」 「そうだ」 笑みを含んだ唇で魔法使いは静かにうなずく。二人が振り返って、魔法使いの白磁の眼とピーターの緑色の眼が老人達を映す。 悲しむ心を偽っている友人達は余りの気恥かしさにか寝た振りをしていた。 「・・・・・・」 「さあ、儂はもう少し年寄り共と別れを惜しんでおく。御前はあちらに行っておいで」 「……はい。ピョートル様」 少年は素直に魔法使いの言葉に従うが、去り際に老人達を一睨みしておくのは忘れなかった。 「エライ扱われようじゃのう」 少年が部屋を出て行った後、非難はピョートルに集中する。 「大人物が細かい事を気にするな。あまり時間もないだろうから、どしどし別れを惜しもう」 「別れを惜しむと言ってもなぁ……どうも切実さに欠ける」 「何を言う!この美しい顔も、雪の髪も、波に洗われた桜貝のような爪も、肌色の貴石の如き踵も、二度と見られなくなるんだぞ?熱い抱擁を交わしたり、涙ながらの告白をしたいと思わないのか。つまらない奴等だ」 「……おぬし変態じゃのう」 「無礼な」 「三百年も四百年もつるんでおいて、いまさら何を告白しろというんか、おまえは」 ピョートルは渋面を作って首を振った。 「お前たちは趣というものを理解出来ないのが痛い欠点だ。その内矯正してやろうと思っていたのだが、志半ばにして天に召されるとは。友人として儂は恥ずかしい」 「わしらは御前の友人である事自体が恥ずかしいわ」 何百年前は今より更にキテレツで気分屋で我侭だったピョートルは友人を作るのには障害が多すぎた。前述の『AB型射手座ではないか』と噂される性格もさる事ながら、人に会うのが嫌いで記憶力に乏しく、特に名前と顔を覚えるのが天才的に不得手では一生孤独な魔法使いでいることが宿命づけられたようなものである。 それでも、変り種というのは何処にでもいて、ピョートルのものぐさな記憶力に強烈なチョップを食らわす者が何人かいた。『何か激しい勘違いをして西の悪い魔法使いを退治しに来た皇子』だとか『昼寝中の魔法使いに気付かずその腹を踏んずけた神父(近視)』だとか『気に入らぬ縁談を断わる口実に西の悪い魔法使いと交際中であると大ウソを吹聴した姫』だとか。彼等とピョートルの間で刃傷沙汰や口論や駆引等のコミニケーションが行なわれ、やがて友人という穏健な関係に落ち着くにはかなりの時間を要した。 勿論友人となってからも親愛と平安に満ちた日々を送った訳では決してなく、若さも手伝ってか、吐きそうなくらい怒ったり笑ったり、ともかく起伏に富んだ日々だった。そしてその頃は彼等も気楽な身分だったのでよく皆で、砂漠へ海へ雪山へ冒険へ出掛けた。何人かが死にそうな目に遭った事も何度かある。(実際に、首がもげて臨死体験をした者もいたのだがピョートルがくっつけて事無きを得た) 時が経って出世した友人達が気楽でない身分になっても、魔法使いは変わらずふらりと遊びに来た。仕事に疲れて寝室に帰ってくると、魔法使いが書き物机の上に腰掛けて待っているのだ。眠いのでいい加減にあしらっているとみるみる不機嫌になるので『茶でも飲んで帰れ』というと、無邪気に笑って机の上で正座する。側仕えの者を起こすのも気の毒で手づから入れてやった熱い御茶を満足そうに吹き冷ましながら、今夜の月の形はどうのこうのと魔法使いは話す。その貌が明りを点けない部屋の暗がりの中に浮かび上がり、夢うつつに『確かにカオは奇麗だ』と思えたが口にはしなかった。やがてピョートルの低い話し声を聞きながら眠ってしまい、翌朝掛けられた毛布に気付く。(しかし顔に落書きされているのにも気付く) 長い時間をかけて付き合ってみると、互いのアクの強すぎる性格も何もかも、慣れて愛すべき点に変わっていた。老人達は高飛車で傲慢な魔法使いが実は淋しがり屋な事を知っているし、魔法使いは老獪で非情な政治家、貴人達が実は涙もろくて早とちりでお調子者である事をちゃんと分かっている。たったそれだけで何か救われる気分になる時というものは人生何度かあるし、相手に表明はしないが心の何処かで感謝はしていた。 「しかし幾等儂でももうこれ以上御前らに迷惑を掛ける事はないだろう」 「・・・・・・」 「今までも色々済まなかった。礼代わりに形見分けで何か欲しいものはあるか?」 「宝石のコレクションじゃ!」 「絵画!シュールリアリズムのやつ全部!」 「香水」 「おまえの死体!」 「わたくしもですわ!」 「この屋敷!」 「……おもいっきり物欲に走ったな」 オークションよろしく老人達が手を挙げて自己主張を始めたのでピョートルは耳を塞いだ。彼程の大魔法使いともなると、一国のその年の吉凶を占うだけで何年間は遊んで暮せる。何百年かの間に荒稼ぎを繰り返して、彼の私有財産は国家予算をはるかに凌ぐ額と化していた。その内に高利貸しでも始めるつもりなのかと友人達は予想していたくらいである。 「ピョートル様、聞いて下さいませ!将軍に亡骸を弄ばれるのと、わたくしに大切に保管されるのとどちらがいいのです?」 「何が大切に保管じゃ!どうせスケスケの悪趣味な衣装で飾り立てて化粧させ……ん?なにかな、この音は」 「音?」 「誤魔化されてはいけませんわ!ピョートル様。将軍は舌先八寸で国を守ってきた男ですから!」 「いや、姫。本当に音が」 「あ、ほんとじゃ」 微かに耳につく空気の張ったような音に、老人達はきょろきょろ周囲を見回した。 その音量はどんどん大きくなり、大きくなり、部屋の中の重量のないものが共鳴して振動し始めた。 「ピョ、ピョ、ピョ……」 「こんな時にひよこの物真似か?案外肝が太いな大司教」 「し、舌が回らんのじゃ!これは何事か!」 音は最大限に巨大化すると、隕石の落下を思わせる大爆発を起こした。ピョートルと大司教の声も瞬時かき消える。大きな柱時計が揺れる床に跳ね上げられて突っ伏す老人達の方に倒れ掛った。ピョートルがそれに気付いて何事かを唱えると、人間が八人がかりでやっと持ちあがる大時計は、弾き飛ばされて砕け散る。 「何が起こった!戦争か?」 「こりゃ違うわ。ほれ例の」 「ああ、『東の』が来たんか―」 「魔法遣いの臨終(中)」へ |