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私が興味を持つカメラはこの時期のものだけなのである。「純光学機械」としての頂点、成熟期のもの。
思いのほか小ぶりでありながら、手に取るとシッカリした手ごたえがあって、梨地のクロムメッキの冷たい
輝きと漆黒にペイントされた枠や滑らかに手に馴染むシポ皮、いかにも精密機械、マシーンであるという
金属製メカニカルカメラ。

今の私の感覚で言うと
「 メカ のギッシリ詰まった美しい金属の塊り 」

当時のオプチカル技術者やメカニカル技術者の智慧と情熱、金属ケースや部品加工に見られるクラフト
マン魂の誇り。精緻に光り輝くその姿に同じ技術屋として、いやオヤジ世代なら誰でも思わず見惚れて
しまうだけの魅力がある。
ここにはやっぱり、一種の 「男のロマン」 があるのだ。




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