写真が趣味なのでカメラも何台か所有している。しかしこれらはコレクションというつもりのものではない。
昔々、私が幼い頃や写真を始めた頃に名機名玉と言われて憧れだったカメラを近年になって手に入れた結果なのである。私の写真歴は1965年一眼レフのミノルタSR-1に始まる。 当時ペンタプリズム式の一眼レフレックスカメラの出始めで、ニコンFをはじめペンタックス、ミノルタ、キャノンなど、「俺は写真をやってるダー」と言う連中はこぞって一眼レフを手にしていた。
しかし、私の心の中にある写真機はそれらではなかったのである。
その一世代前はレンジファインダーカメラや二眼レフカメラが主流であった。私の子供の頃の数少ない写真は、当時元気(?)の良かった親戚の叔父さんや父の友人達の所有するそれらのカメラにによるものである。茶色い皮のカメラケースに包まれて、軍艦部とレンズ鏡胴のメタル部分を輝かせていた写真機なるものには、幼心にとてつもない高価なもの貴重なものとして、驚嘆と憧れを抱かせるマシンであったのです。 |