| |||||
この器は見込みより横顔に惚れている。波頭文に燕を配し、古伊万里の波千鳥を彷彿させる爽やかな絵、 口元の唐草?模様はイッチンで描かれ、縁周りは青磁が掛けられていて、なかなかお洒落である。 肥蝶山とは有田皿山のことで幕末から明治期に輸出用に作られた製品群に多く見られる銘である。 色絵や金襴手の作品が多く、染付の製品は珍しいと思う。 購入時大鉢と称されていたが器形から見ると、縁が内側向きの鍔になっていて食器ではないような気がする。 見込みに絵付けがされているので、水を張って使用するものであろうが、8寸強のサイズからして 洗面器や手水鉢としては少し小さいようである。 私はこれに、中折れの塗り蓋を誂えて平水指として使うことにしている。 輸出用ということに拘らなければ、案外これが正解なのではないかと思っている。 2009年4月3日 | |||||
| |||||
バックナンバー |