染付 蝶文縁祥瑞牡丹輪花皿
中期末: 径22.0cm  高3.8cm

18世紀後半の新様式の代表的な作品であります。

古伊万里も盛期を過ぎて国内外の諸事情により国内需要が主力となり
磁器製品の大衆化に向けて廉価、量産化にシフトせざるを得なくなりました。
これにより古伊万里様式の製品は次第に手が落ちて行きました。
そうしたなかで、18世紀後半 天明期になると清朝様式を取り入れた新様式の作品群が
作られるようになり、手をかけた精緻な作品が現れてきました。
こうした流れの中で古伊万里生産地全体の技術レベルも上がったようです。
私はこの時期を古伊万里窯業の「もう一つの頂点」と思っております。

本作品は「塗埋白抜」作品の一つで、縁周りに白抜きの蝶文繋ぎを描き、
太い枠で区画された見込みには白抜き牡丹文と祥瑞文を描いた
大変手のかかった精緻な作品であります。

裏はこの時期の作品に多く見られる無地無銘です。

2017.12.1

 




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