藍九谷 雲間満月に波兎図五寸皿
前期:径15.2cm 高2.6cm

今年も早くも中秋となりました。
中秋に相応しい満月に波兎のお皿を展示しました。
雲間の月の表現、波兎の動きは初期伊万里の表現を色濃く継承しております。
初期伊万里の兎にも柿右衛門の兎にも通ずる、まさに過渡期の藍九谷です。
裏の折れ松葉も古九谷の筆致で、藍九谷の古作と言えるでしょう。
銘は二重角に福の変形です。

余談ですが、いつかはコイマリスト永遠の憧れ「柿右衛門の兎」 をと願っておりますが、
いつもお世話になっている古美術商さんに、「柿右衛門の兎さんが欲しい」 と申しましたら、
「難しいですねー、柿右衛門の兎はコレクターさん同士で取引されることが多く市中には
まず出て来ません」 とのことでした。まあ、「柿右衛門の兎」 にしても 「初期の兎」 にしても
当コレクションでは簡単には手が出ませんから、本作品が当コレクションに相応しい名品だと
思っております。私のお気に入りの一枚です。

2017.9.1
 






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