古九谷 秋草野菊文変形皿
寛文期 径15.6*13.0cm 高2.8cm

古九谷と呼んで良いのか、初期色絵と呼ぶべきかという微妙なお皿である。
陽刻の古九谷であることは間違いないところであるのですが
所謂、色絵の古九谷とはやや趣が異なり
大変シンプルな野菊と秋草が描かれているだけ、裏は無地であります。
付け高台であることから、古九谷でも時代の下がったものですが
見込み面はフラットで、上絵付けを見込んだものでありましょう。

文句なしの古九谷と言えば、祥瑞文や南京風なりの絵付けがあるところですが
余白をもたせたシンプルな草花文だけで、和風といいますか
日本風の絵付けであることから、古九谷というよりは初期色絵と呼ぶのが
ふさわしいのではないかと思うのであります。

まあいずれにしても日本の磁器の発展の推移を覗わせる
興味深い作品でありましょう。


2012/1/1








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