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猛暑と豪雨に苛まれた異常な夏も過ぎ、ようやく本来の季節の姿に戻ったようです。 寒暖の差が激しいほど美しい紅葉が見られると言いますがさて今年はいかがなものでしょう。 今月は期待を込めて紅葉のお皿としました。 紅葉破れ扇散しのお皿は以前からの憧れの一枚でした。 このお皿は見込みの右側の一部に七宝文繋ぎの雲状の地紋を描き、そこに白抜きで紅葉と扇を描き、 残りの白地部分には紅葉と扇を描いて見事なコントラストを構成すると同時に、左側の絶妙な余白を引き立てております。 また、器面の見込み中央部と外周部を区分けした二重巻線は、散漫になりがちな散し文を見事に引き締めております。 こうして詳細に見てみると、このお皿は綿密に計算されたというか、意匠として深く推敲されて作られた作品であることが分かります。 裏の作行きも非常に端正な成型でありますし、無銘ではありますが外周に巡らされた唐草も手の込んだ丁寧なものであります。 紅葉破れ扇面のお皿も縷々目にしてきましたが、親バカ的に申せばこの意匠のお皿では最高位のものと思います。 それから、本稿を書いていて気が付きましたけど、「破れ扇」 は秋のモチーフなんですね。 今年の猛暑を思ってハタと気付きました、エアコンの無い時代、扇は夏の間大活躍で夏の終わりには傷んで破れてしまう。 夏の終わりを現すモチーフということなんですね〜 (多分) 2018.10.1. | |||||
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