「御座学教室」より
屋号もまた御座では消えゆく呼び名の一つです。その屋号には「家名(いえな)」と「店名(みせな)があります。御座の屋号の内、「家名」については多くは江戸時代からあった個人名が元になっています。特徴的なのはその家名が御座独特の方言としていわれていることです。 「店名」については御座の場合は明治になってその家が農漁業以外の経済的活動をもするようになってからつけられたものですが、戦後になって「家」の観念が薄くなってくるに従って、店名としての屋号というより商店名・会社名を表すように変化してきました。
以下は、屋号一覧を表記するにあたっての留意点です。
ア)表記は家名優先のアイウエオ順とします。(家名漢字不明の場合は仮名で示します)
イ)家名が不明もしくは無い場合は店名だけを表記します。店名であることを示すために店名屋号の前に*印を付けます。
但し今では店名なのか、単なる商店名なのかの区別がつかなくなっています。
とりあえずは、個人又は会社経営ではなく、家として経営していると考えられる店名を屋号として表記しています。)
(店名の屋号の中で家名の屋号が判明すれば家名の項目の中に繰り入れます)
ウ)屋号の前に×印のあるのは御座では廃家もしくは廃業となっているものです。
(その場合は、その家の継承者が御座に戻ったり再営業したりする可能性もないと判断されたものです)
エ)家名屋号の後の( )内には、その家名漢字の御座方言独特な読み、もしくは店名を持っていればその名前を表記します。
(また、その家が別の家名を持っている場合は、その屋号名を表記しています。)
御座の屋号一覧
ア→×あさじや
*×油屋(浜口商店)
イ→市松屋(岡市屋とも*一葉)
×伊右衛門屋(いよめや) 伊三郎屋(いさぶら) 伊助屋 伊蔵屋 岩次郎屋
*井倉屋 *岩正 *×岩屋
ウ→×卯吉屋 卯右衛門屋(うよめや*高曽)
エ→延次郎屋
オ→大橋屋(おおばしや) 音屋
おかつや ×おこんや おだいや
*岡部屋(岡部自転車店) *×桶屋
カ→亀屋 勘助屋 勘右衛門屋(かんよめや) 勘六屋(*冠月堂) 勘兵衛屋(かんべや)
かんざや
*かねう(*はまゆう)
キ→儀兵衛屋(*×みくらや) 喜太郎屋(なかき) 久左衛門屋(きゅうざいめや) 久兵衛屋(*かじ久) 久五郎屋
久蔵屋(*かねげん) 喜太夫屋(きだいや) 喜大屋 喜蔵屋 ×喜七屋
金右衛門屋(きんよめや 元は万七屋 *マル金) 金蔵屋(きんぞや*カネ金)
ク→倉屋(くらや*ヤマK) 九郎兵衛屋
ケ→源蔵屋 源の屋(*山下屋) ×源助屋
コ→幸之屋 ×五郎兵衛屋
サ→才吉屋(*×竹屋) 佐次兵衛屋 佐次平屋(さじや) 佐次郎屋(*×かしんや) ×佐平屋
三吉屋(*さざなみ) 三次屋 三右衛門屋(さんよめや*×山三) 三平屋(さんぺや*御座岬) ×作兵衛屋(さくべや)
*×山優
シ→重吉屋 正五郎屋(しょうごや・しょうごろや ) ×治左衛門屋(じざいめや) ×治平屋 治郎七屋(じらひちや)
新助屋 ×新屋 甚の屋 甚吉屋 静屋(しずかや)
しろいめや しょじべや(*カネ長)
セ→清兵衛屋 清佐衛門屋(せいざいめや) 清四郎屋 清五郎屋 清六屋
善四郎屋(*みよしや) 仙衛門屋(せいめや*丸仙) 仙蔵屋(せんぞや) ×せんや
ソ→惣右衛門屋(そうよもや*×鍛冶屋) ×宗吉屋(そうきや×*久保総)
タ→竹右衛門屋(たけいめや) 為吉屋 太郎兵衛屋 太次兵衛屋(たじべや) ×ただいめや
*竹清(*×まつや)
チ→忠助屋 忠吉屋 千代屋 長太夫屋(ちょうだいや)
ツ→*×辻床
テ→伝左衛門屋(でんざいめや*清風堂) 伝蔵屋 ×伝平衛屋
ト→篤助屋 ×俊雄屋 藤太郎屋 藤兵衛屋 寅次郎屋(寅蔵屋とも)
ナ→なきりや なんようや
*×中千
ネ→*×ねぎや
ハ→八蔵屋 八五郎屋 八次郎屋(*丸八) 八右衛門屋(はっちょめや×*平和床) 八郎兵衛屋
ヒ→×彦兵衛屋 七五屋 七郎兵衛屋 兵助屋(*西兵) 兵吉屋
兵次屋 兵蔵屋(ひょうざや*×めがねや)
ヘ→平吉屋 平蔵屋(元は市蔵屋*大伸丸) ×平兵衛屋
ホ→*帆ヶ島(*×めがねや)
マ→孫兵衛屋(まごいめや) 孫四郎屋 政屋 松兵衛屋
万作屋(×*竹万)
×まさいめや(*×中福)
*マルエス *丸西 *松栄荘
ミ→×みのまつや
*みさき荘 *見晴屋
モ→×茂右衛門屋(もよめや)
*森源
ヤ→弥右衛門屋(やよめや*×三和) 弥五兵衛屋(*やまや) 弥吉屋 弥惣市屋(恒治屋とも) ×弥七屋
×弥六屋 安左衛門屋(やすざいめや*丸安)
やのや
*山吉 *×山善 *山万 *やまみ
ユ→勇吉屋(*笹之軒)
ヨ→与次兵衛屋(よじべや) ×与八屋 与惣右衛門屋(よそいめや)
リ→利助屋(*みふね) 利兵衛屋 ×利吉屋
りよめや(*×みしんや)
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