あとがき
本作品は1976年に法律文化社で発行された『ホモ・サピエンスのたそがれ』をネット用にリメイクしたものである。とはいえ、内容的にはいささかの変更もせず、表現上の訂正を一部しただけである。本サイトのエッセイコーナーへは三作目の収録であるが、作られた時期としては最初である。
全体の調子が生硬で気負っている点は、人生体験の少ないその頃の筆者の未熟さと独善性をあらわしていて、今でも汗顔のいたりである。
第一部にでてくる「私」は当時の世相を反映したものであるが、40年近く経過した今、その考えが全くなくなったかと言えば、そうでもない。その残滓は今でも出てくる。第二部にでてくる「わたし」は当時の筆者としては文字通りの夢を語ったのであるが、年取るに従って、その思いを強くしていったようにも思える。
いずれにしても、絶版となった書物がネット上に公開できるのは、感慨深いものがある。所詮、発信者の自己満足でしかないのであるが、思わぬサーファーがのぞいているかも知れないと思うと身も引き締まる。
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