ザッツ6 「AIBO」(愛玩用ロボット)は「右脳ビジネス」 ソニーのロボットの「相棒???」 2001年2月6日

2001年2月6日(火)の読売新聞の「サイバートーク」の記事である。見出しは「愛玩用ロボットは右脳ビジネス」とあった。筆者は、「ソニー上席常務 デジタルクリーチャーズラボラトリー所長」の土井利忠氏の記事であった。「人間の感性に訴えるビジネスを、私は『右脳ビジネス』と呼んでいる。それに対して、従来の『役に立つ』『効率を向上する』というスタイルを『左脳ビジネス』と呼ぶ。二十一世紀には、『右脳ビジネス』の比重が大きくなるだろう」と書いている。土井氏は、この記事の最後に「人間と同じように、二本足で歩いたり踊ったりするロボットに、言語や理論では説明できない『何か』を右脳で感じた人が多かったのだ、と私は感じている」と述べている。

なるほどネ。「感性に訴えるビジネス」か。僕はテレビで見ただけだが、「AIBO」(相棒?)の「しぐさ」は、確かに「感性」をくすぐるのもがあった。それもそのはず、「AIBO」は、僕の家のリオ(娘)とよく似た「しぐさ」をしたからだった。特に立ち上がるときの動作は、傑作であり、僕は思わず、「かわいい」と思ったのである。僕は娘のリオが、かわいくてたまらない。「AIBO」のしぐさをみて、僕は一瞬、リオに置き換えて、「かわいい」と思ったのである。これが「感性に訴え」ることの、正体ではないか。このとき、僕は、逆に犬がとても嫌いだとする。この場合、「AIBO」のしぐさは、どう映るのであろうか。「右脳ビジネス」は、おそらくは、成り立たないだろう。

ソニーの技術者は優秀だから、「AIBO」開発には、「幾つものデータ」を活用したはずである。「犬が好きか、猫が好きか」「犬のどこが好きか」「犬を飼ってみて、とてもかわいいと思ったことは」「マンションで犬を飼っていいのか、どうか」「どんな犬が好きか」などなど。そのデータを参考に、実際の犬の行動を観察、その部分・部分を「ソフト」に組み、全体を統合して、「感性に訴える忠実なAIBO」を作り上げたと僕は思う。「AIBO」は、この「ソフト」の上で動いている限り、「その枠」は超えられないのである。しかし、僕ら人間の「感性」は、いつまでも同じではないであろう。

 

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